今年プレイしたゲームの中で一番面白かった『バイオハザード RE:4 VRモード』。
『バイオハザード RE:4 VRモード』とは?
本編のみの独立したVRモード
『バイオハザード RE:4 VRモード』は非VRゲームとしてリリースされた『バイオハザード RE:4』の無料DLCです。
『バイオハザード ヴィレッジ VRモード』と同じく、VR対応は本編のみであり、DLCの『ザ・マーセナリーズ』『セパレート ウェイズ』には非対応。
でも『Extra DLC Pack』『武器特殊改造チケット』らのアイテム系DLCはVRモードで有効です。
本編のセーブデータは新規作成となりますが、システムデータは共通。非VR版で入手したボーナス武器をVR版で使えます。
『バイオハザード ヴィレッジ VRモード』と違って『バイオハザード RE:4 VRモード』はトロフィーに対応しています。引き継ぎの2周目もあり、VRモードだけでやり込める。
操作方法
左スティック:移動
L3:ダッシュ
右スティック:カメラ
右スティック↓:180度ターン
R3:しゃがむ
銃を持った状態で〇 or △:マガジンを捨てる
投擲武器を持った状態で〇 or △:投擲武器の切替
×:インタラクト メレーアタック
□:アタッシュケースを開く
L1orR1:持つ
L2orR2:銃撃
L2orR2長押し+スティック↑:マップを開く
L2orR2長押し+スティック↓:アシュリーへの指示
良かったところ
傑作がVRで強化
『バイオハザード RE:4 VRモード』は私が今年プレイしたゲームの中で一番面白かったゲームです。
理由は明白で、メタスコア93点の『バイオハザード RE:4』がVRで強化されて限界突破の傑作になったからです。非VRでプレイしても傑作がVRで強化されたんだから一番面白くて当たり前。
本編をフルでプレイできるVRゲームですけど「VRゲームとして面白い」という印象というより「非VRゲームのVRエンハンスドとして面白い」という印象です。
VRエンハンスドのポイントは2つあります。
素晴らしい映像と音と触感で作り出された臨場感
ゲームの世界に自分が入ったような「そこにいる」というVRならではの臨場感が最高です。
PS5+PSVR2の性能を生かしたハイエンドVRならではのグラフィックが素晴らしく、500万本以上売れるゲームとしての予算のかけ方を感じる豪華さもあります。これはVR専用ゲームではできない事です。
VRゲームはオブジェクトを少なくする事でなんとかグラフィック品質を保つように努力する事が多く、その結果、殺風景になりがちです。このゲームはそんな制限を感じず、スタート直後から木々に囲まれたエリアが美しく描かれていて度肝を抜かれました。
PSVR2の有機ELの黒はやっぱり良いです。ホラーゲームの薄暗い雰囲気は本物の黒が生きますし、本物の黒だからこそ漏れる光も映える。しかもHDR対応。液晶の液晶画面っぽさとは一線を画す臨場感を生みます。
これはVR世界の立体感を作り出すのにも効果的に機能している。液晶+非HDRだと平面の画面感が消しきれない。
3Dオーディオも完璧に機能して「そこにある物」の存在をしっかり感じられます。強風や頭の近くを通過するコウモリをヘッドセットの振動で感じたりもして、映像+音+触感が三位一体で生み出す臨場感が素晴らしかった。
中盤のホラーシーンは最っ高に怖かったです。これぞVRホラーの力。初見だからこその醍醐味でもあったと思います。
最近はRTX4090のPC+Meta Quest 3でPCVRをやっていましたが、改めてPS5+PSVR2の魅力を再確認できました。
もしかしてPSVR2のフレーム補間技術(リプロジェクション)による120fpsの映像品質がアップデートで改善された?と思うところもあります。以前は120fpsだと映像が不安定だった印象です。カプコンの技術が進化しただけかもしれませんが。
極上の戦闘
『バイオハザード RE:4 VRモード』は戦闘がめちゃくちゃ面白いゲームです。VRゲームは銃撃ゲームが多いですけども『バイオハザード RE:4 VRモード』が圧倒的に面白いです。
敵がゆっくり動いてくれる事もあり、「狙い撃つ楽しさ」が強く感じられる。そして頭や脚を狙ってよろけさせると爽快なメレーアタック。たまにナイフでトドメを刺すチャンスもり、この基本となる一連の流れに中毒性がある。
銃撃ゲームは多数ありますが、単調な撃ち殺しになりがちでもあります。改めて『バイオハザード4』の戦闘の仕掛けは凄いと思いました。
PS4版の『バイオハザード4』はレティクルの操作性に問題を感じており楽しめなかったですが、『バイオハザード RE:4 VRモード』にそういう問題はありませんから、大満足です。
VRならではの魅力として銃のリロードもあります。最初は面倒に感じる人も少なくないでしょうけど、慣れるとワンボタンリロードの仕様には強い不満を覚えるようになります。
銃を手動で素早く行えるようになっていくという上達の喜びもありますし、敵に追い詰められながら素早くリロードして撃つのは自分に酔えるカッコ良さ。
銃の手触り感の個性の差も面白く、非VRゲームの時の性能差だけで武器を選ぶ感じではなくなっています。リロードが楽しいですからSR M1903の1発ずつリロードする仕様も楽しめる。
2周目はナイフをメインに使ってプレイしていますが、これもパリィが気持ち良くて楽しいです。ゾンビをザクザクザクザク斬りまくれるのもVRならではの魅力。腕が痛くなりますけどね。
そしてPS VR2 Senseコントローラーの魅力も改めて感じました。『バイオハザード RE:4 VRモード』の前に『Arizona Sunshine 2』をしていて、その時にアダプティブトリガー+ハプティックフィードバックによる圧倒的な銃の本物感を感じていました。VR世界の中にいると錯覚効果もあって触感の効果が増して、本当に本物の銃を持っている感覚が強くなります。だから撃つのが楽しい。特にマグナムの手応えはタマランです。
VRでは食傷気味などほど銃を撃つゲームが多いですから、その銃撃においてアダプティブトリガー+ハプティックフィードバックで大きな差をつけられるのはPSVR2の強みです。
『バイオハザード7』や『バイオハザード ヴィレッジ』と違い、『バイオハザード RE:4』は敵がワラワラ出現して、戦闘がゲームの軸とも言えますから、VRモードで極上の戦闘を堪能できました。
トロフィー対応
『バイオハザード ヴィレッジ VRモード』はトロフィーに対応していなくて残念でしたが、なんと『バイオハザード RE:4 VRモード』はトロフィー対応。私は非VRでプレイせずVRモードを待っていたので歓喜。
VRエンハンスド以外の部分は既にメタスコア93点など数多くのレビューで語られており、珠玉の完成度だと思います。職人技のようなゲームデザインとバランス調整。
気になったところ
純度100%のVRゲームではない
『バイオハザード RE:4』のVRエンハンスドと強調したように、あくまでも非VRゲームの『バイオハザード RE:4』、もっと言えば『バイオハザード4』がベースにあり、純度100%のVRゲームという印象ではありません。
イベントムービーの多くはシネマティックモードになります。VR体験としては没入感を削がれるところ。これは『バイオハザード7』や『バイオハザード ヴィレッジ』と違う点。
考えてみれば当然でもあります。『7』と『V(8)』は最初からVRを想定して作られており、イベントムービーでも主人公の顔を見る機会がまったくないくらい主観視点です。それをVRカメラに置き換えるだけでそれなりのVRモードになれます。
『RE:4』は『バイオハザード4』が原型ですから、VRはまったく想定されていない三人称視点のゲームであり、イベントムービーは客観視点で細かくカット割りされて作られています。ユーザーの多くは非VRゲーマーであり、原作から規制でセリフが1個消えただけでプチ炎上のように騒がれますから、セールス的に期待しにくいVRのためだけにゲームデザインを大幅に変更するのは現実的ではありません。
イベントムービー以外でもメレーアタックや特殊な攻撃を受けた時に三人称視点になります。
三人称視点から主観視点に戻った時に、微妙にズレを感じる時があったのは気になりました。
「VRゲームっぽさ」も控え目であり、扉の開閉やハシゴの昇り降りは×ボタン1回で行い、持てるオブジェクトは少ないです。全てを自分の手で操作するVRゲームというわけではありません。
これに関してはMeta Quest版の『バイオハザード4』よりも控え目なところがあります(救急スプレーなど)。
とは言え、VRゲームっぽくできなかった細かな点の不満よりも『バイトハザード RE:4』をハイクオリティのVR化してくれた事が非常に嬉しいです。しかも無料DLC。カプコン以外はこういう挑戦は中々やらないですからね。
そして「これでいいのよ」とも思います。VR専用ゲームだと大作はまず出せないですし、無理して『Half-Life: Alyx』や『Asgard’s Wrath 2』のような物を単発で出しても先が続かないのは見えています。これまでのPCVRやMetaQuestを見れば明らか。現実的に面白い大作がVRゲームで継続的に遊べるとしたら、非VRゲームのVRエンハンスドです。
小・中規模のVRゲームらしいVRゲームは多いですから、VRゲームに不足している大作を非VRゲームのVRエンハンスドで持ってきてほしいというのは初代PSVRの頃からの願い。カプコンはそれに応えてくれました。
VRを想定していないゲームをVR化するのは無理があって当たり前です。非VRゲームっぽさを残しても、極上の臨場感と戦闘が他のゲームでは味わえない限界突破の魅力を感じさせてくれたから良いです。戦闘やグラフィック+フレームレートのパフォーマンスのバランスに徹底的なこだわりの調整を感じます。
初代PSVRでも『ヒットマン3』『ボーダーランズ2』『The Elder Scrolls V: Skyrim VR』らのVRエンハンスド系のゲームはあり、個人的にはとても楽しめました。しかし初代PSVRではグラフィックや操作性に大きな問題がありました。
PSVR2の素晴らしい『バイオハザード RE:4 VRモード』を体験すると、もっとVRエンハンスド系のゲームが増えてほしいと思います。『Bulletstorm VR』はプレオーダー済で楽しみです。
まとめ
- グラフィック:★★★★★
素晴らしい。VRゲームはオブジェクトを減らしたおとなしいゲームじゃないと良いグラフィックにするのは難しい印象ですが、ここまでしっかりしたアクションゲームで、このクオリティは脱帽。 - ストーリー:★★★★★
『バイオハザード RE:4』本編の完全なVR化でストーリーとキャラクターの魅力も素晴らしい。ボリュームも満足です。 - 酔い度:★★★★★
動き回るゲームですから酔いやすいでしょう。 - 総合:★★★★★
文句なしに今年一番面白かったゲームです。極上の戦闘、パズルのバランス、ストーリーとキャラクター、ボリューム&やり込み要素、グラフィック、音、触感…、このレベルで楽しめるVRゲームは他にありません。
これはVRゲームですから「VRゲームの最高傑作」とも言えちゃいますけど、でもやっぱり「VRゲーム」と言うより「非VRゲームのVRエンハンスド」いう印象です。なんにせよめちゃくちゃ楽しくて、最初から最後まで楽しさが持続しました。
ゲームの楽しさを思い出した
7月からUnreal Engine 5でのゲーム制作にハマっていてゲームをプレイする事が減っていました。おかげである程度のゲームが作れるようになったのですが、自作ゲームにおいて「ゲームの面白さ」を考えていたら、何が面白いのかわからなくなってしまっていました。自作ゲームで敵を撃って斬って「これの何が面白いの?」と思っちゃう感じです。
それでいわゆるインプットに力を入れようと思い、PCVRゲームをやっていました。『Asgard’s Wrath』『Half-Life: Alyx』『Fallout 4 VR』らをRTX4090+Meta Quest 3でプレイしてみて、それなりに面白かったですが、気持ちがブチ上がるほどではなく、ゲームを楽しむ心に渇きを感じていました。この環境でPCVRゲームをやってこれでは…という行き詰まり感。これはコミュニティの問題もあるかと思います。
ゲームから気持ちが離れていく中、ふとPSVR2に再び触りたくなって『Arizona Sunshine 2』をプレイしてみたら、PS VR2 Senseコントローラーの素晴らしさを改めて感じました。本物の銃を持って撃っているような手応え。
これで気持ちが上向きになり、スルーしようかとも思っていた『バイオハザード RE:4』を購入。そしたらめちゃくちゃ面白くて気持ちがブチ上がり、ゲームを楽しむ心が一気に満たされた。
『バイオハザード ヴィレッジ VRモード』も同じくらい感激できるゲームだったかもしれませんが、非VRでやり込んでいましたから、いきなりVRモードでプレイした『バイオハザード RE:4 VRモード』の方が非VRゲームとしての面白さも同時に味わえて、かつてないゲームの面白さを感じられました。
コメント
久しぶりに更新されてるやん!
僕も完全初見で今やってますが、最高の一言です
牛に追われるだけでビビリまくってしまうw
ノウハウある今のカプコンでVR化に適したゲームがバイオくらいしかないのが本当に勿体ない
久しぶりの更新ありがとうございます!Re4のVRどうなんだろう?と思っていたので詳細なレビューありがたいです。
greate post i love it..
greate post i love very goood..