唯一無二の気持ち良さのある戦闘『Bulletstorm VR』

レビュー・感想

2024年1月18日(木)にリリースされた『Bulletstorm VR』の感想。

『Bulletstorm VR』とは?

2011年2月24日にPS3でリリースされた『Bulletstorm』をVR化したものです。
VR化以外の変更点もあり、トリシカでプレイできるステージが追加されていたり、一部のステージがカットされていたりもします。

操作方法 ※右利き

【左手】
左スティック: 移動
L3: ダッシュ
L2: リーシュ
L1: 持つ
※左手で銃を持てば右手と同じような銃撃操作になります。
【右手】
右スティック←→: カメラ操作
右スティック↑: スライディング
右スティック↓: キック
R3: しゃがむ
R2: 銃撃
R1: 持つ / ソード※トリシカのみ
: チャージショット
×: 銃のマガジンを捨てる

銃のリロード(右利き)は×でマガジンを捨ててから、腰の左にあるマガジンをL1でつかんで銃にセットする。操作のオプションが「イマーシブ」の場合は、コッキングが必要な銃もあります。

武器ホルダーは右腰、左肩、右肩にホルダーにあります。
地面に落としても自動でホルダーに戻ります。

追記:日本版がキャンセルされた

初めてのパターンです。日本版をプレオーダーして事前ダウンロードもしていて発売日に解禁されて今日クリアしたのですが、クリア後に「コンテンツに不備があったため購入をキャンセルしました」というメッセージがきました。

プレオーダーしてダウンロード済だったユーザーは発売日にプレイできる状態でしたが、日本ストアでは発売日からの販売はありませんでした。
購入キャンセル後はダウンロード済でも起動できなくなりました。

規制問題

まずVer1.000.000はクラッシュ多発と進行不能バグがありました。これ以外に、日本独自の問題として規制問題が考えられます。

日本のPS3版とPS4版はCERO:D指定という、愚かな判断とも言える規制がありました。規制によって死体がないのに主人公たちが死体に驚くという意味不明になってしまう場面もあり、ゲームの雰囲気を損ねてしまっていました。

日本ストアでプレオーダーしたPSVR2版は「18歳以上」になっており、しっかり死体も欠損もあります。

しかしながら、「18歳以上」がCERO:Zという意味ではなく、IARC 18+だとしたら日本のPSストアで販売できないパターンです。何回同じミスを繰り返すんだろうという感じではありますが。
プレオーダー時はIARC 18+という表記があり、いよいよ日本で解禁かとちょっと期待したものです。

良かったところ

気持ちいい戦闘

PSVR2でプレイするBulletstormの戦闘は非常に気持ちいいです。このゲームは普通のFPSとは違いますし、普通のFPSのような銃撃戦をしても面白くありません。
リーシュという電気エネルギーのムチで敵を引っ張って、弱点を狙い撃ったり、蹴ってトゲトゲに刺すのが基本。

VR版のリーシュは左手で直感的に狙えて使いやすいです。次から次へとテンポ良く敵を釣って処刑できる。
左手で引っ張って、右手で撃つ。ゲームパッドでは感じられなかった気持ち良さがあります。VR化して良かった部分を強く感じます。

スライディングでの移動も爽快感があります。でもVR慣れしていない人は酔うでしょう。

武器は8種類あり、それぞれにチャージショットという強攻撃もあります。これにリーシュ、キック、スライディング、環境を組み合わせてド派手に戦うのが、このゲームの最大の魅力です。
トドメの刺し方によってスキルポイントが得られて、武器の強化もできます。

PS VR2 Senseコントローラーも生きており、アダプティブトリガーによって本物の銃を撃っている感覚があります。トリガーの重みによって、銃撃可能なのか、弾切れもしくはコッキング忘れ状態なのかもわかる。これはトリガーに重みを出せないコントローラーとの大きな差になっています。

ただ、VRに慣れる、操作に慣れる、リーシュの使い方に慣れる、というところの敷居は高いと思います。使いこなせるようになってから、めちゃくちゃ気持ちいい。

たまに敵AIがおかしな行動をとったり、固まって動かなかったりもして、敵AIの不安定さは感じさせます。

ストーリー

VRゲームはストーリー性があって演出にも力が入っているゲームが多くないですから、『Bulletstorm VR』のような非VRゲームのVR化は豪華に感じます。

『Bulletstorm』は映画的なストーリーと演出があり、FPSのキャンペーンモードの中ではそこの魅力は強い方だと思います。
ボリュームがあるわけではなく、1周5~6時間ぐらいです。

バッサバッサと斬るトリシカ

単なる『Bulletstorm』のVR化ではありません。キャンペーンモードにトリシカでプレイできるステージが追加されており、違和感なくストーリーも繋がっています。
トリシカのエナジー・ブレードは強力であり、主人公より強いです。ゲーム的なチャレンジというより、バッサバッサと斬りまくる感重視という印象でもあります。

反面、オリジナルから削られたステージもあります。※バグでスキップされたのでなければ
特定のステージはVR化が難しかった事情があるのかもしれません。

気になったところ

物足りないグラフィック

元々がPS3世代のゲームではありますが、グラフィックは物足りず、ガッカリポイントです。PS4のリマスター版のグラフィックは良い印象でしたから、PSVR2版はもうちょっと頑張ってほしかったという気持ちです。

フォビエートレンダリング+アイトラッキングを使えていない気もします。これを活用していないゲームは目に見えてグラフィック品質が落ちる印象です。

それなりに開けた広いマップを移動しつつ激しいアクションもあるVRゲームでは、グラフィック品質を高めるのは難しいという事情はあるでしょう。

元々が古いゲームですし、音の立体感は感じにくかった印象です。
画面暗転時に音だけが残っていたり、一部のSEがうるさかったりして、音周りは洗練されていないと思いました。

音だけに限らず、プログラムのガタガタ感のようなものは感じます。変なロードの入り方だったり、ロード待ち中の不安定な空間だったり、ダメージを受けた時のブラッドエフェクトがズレていたり。
開発力がないのにPSVR2、PCVR、Meta Quest向けに開発して最適化できなかったのは感じます。

イベントムービー

イベントシーンはシネマティックモード状態になる事が多いです。全てではないですけどね。
オプションでシネマティックモード状態で3Dにする事もできます。多少の立体感がありますが、さほど良いものではないです。

元々が非VRゲームですからムービーがシネマティックモード状態なのは良いとしても、切り替えに数秒の待ち時間があって没入感を削がれます。
この待ち時間はエリア切り替えでも発生する時があって嫌ですね。

イベントがシネマティックモード状態にならない時もあり、そこはド迫力のVR体験を楽しめます。ゴジラをVRで体験したいとも思いました。

バグ

Ver1.000.000時点ではスナイパーライフルを入手する場面で進行不能バグがありました。クラッシュが多発していたという報告もあります。

発売翌日にVer1.000.001にアップデートされて、進行不能バグは改善されました。Ver1.000.001でもクリアまでに1回クラッシュしましたけどね。

昨年12月時点でプレダウンロードできていて、そこから延期したのにVer1.000.000のままだったのはおかしいですから、本来は発売日にVer1.000.001としてリリースする予定だったんじゃないかと思います。デイワンパッチのリリースタイミングがズレてしまったんでしょう。

その代償は大きく、低評価となっています。そりゃあクラッシュ多発なうえに中盤に入るあたりで進行不能なら★1で仕方ありません。

そして日本では発売停止となってしまった。

まとめ

  • グラフィック:★★★☆☆
    グラフィックは期待外れでした。でもVRゲームの中ではそこまで悪くないです。
  • ストーリー:★★★★
    PS3、PS4、PSVR2と3回目になりますが、改めてストーリーを楽しめました。
  • 酔い度:★★★★★
    動き回るアクションゲームなうえに、スライディングまで駆使すればかなり酔いやすいと思います。
  • 総合:★★★★
    グラフィックは残念ですが、好きなゲームであった『Bulletstorm』の戦闘のVR体験は非常に良かったです。VRへの慣れと、このゲームならではの戦闘の理解が必要であり、敷居は高いと思います。慣れて適応したら、他のゲームでは替えが効かない気持ち良さのある戦闘。
    バグの印象は非常に悪いです。でも発売翌日にVer1.000.001がきてクリアできる程度の内容にはなっていました。
    プログラムの不安定さは感じ、無理してPSVR2、PCVR、Meta Quest向けに開発して最適化ができていないのを感じます。

ちなみに『Vertigo 2』も10章でクラッシュにより進行不能だったのが、『Bulletstorm VR』と同日にアップデートされて進行可能になりました。
2024年1月の期待のVRゲーム2作が大きく躓いたスタート。

コメント

  1. 岸田文雄 より:

    日本語版出てほしいけどな〜俺もな〜

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