新たなマイナーチェンジ型PS5『CFI-1200』で供給数が安定するかもしれない

アナライズ

4月8~20日付でSIEの『CFI-1200 seires』が工事設計認証を通過したと総務省の電波利用ホームページで明らかになりましたが、これによってPS5の供給数が安定するかもという話。

2回目のマイナーチェンジ

  • 2020年11月12日(木) CFI-1000
  • 2021年7月20日(火) CFI-1100B / 8月24日(火) CFI-1100A
  • 2022年?月?日 CFI-1200

PSの「新型」と言うと「マイナーチェンジ」「Slim(小型)」「Pro(高性能型)」に分けられます。
前回のCFI-1100や今回のCFI-1200は内部パーツがちょこっと変更されるマイナーチェンジとなります。PS2の頃から、こういったマイナーチェンジは何度かありました。マイナーチェンジなのでユーザーが気にするような点はあまりなく、話題になりにくいものです。
まだ公式発表されていないCFI-1200がマイナーチェンジと言えるのは型番からです。SlimやProではCFI-3000とかCFI-7000とか、大きく変わります。

供給数が安定するか

今回のCFI-1200の注目点は、「供給不足が続いているPS5の供給が安定するか?CFI-1100では変わらなかったのに」というところ。

前回のCFI-1100は供給に関するような変更点はまったくありませんでしたが、今回のCFI-1200はTSMCの6nmプロセスで製造されたSoCを用いているなら、それが供給の安定に繋がる可能性がある。

1年前から情報が出ていた

2022年7~12月に6nmプロセスのSoCを用いたマイナーチェンジ型のPS5が発売される可能性は、1年前から言われていました。

ソニーが、AMD設計のSoCを6nmでシュリンクしたものをベースに、アップデートしたPlayStation 5を発売するのではないかという噂が飛び交っています。このマシンは、2022年の第2四半期か第3四半期に出荷できるようになると伝えられている。(By Joel Hruska on May 7, 2021 at 7:30 am)
Sony Rumored to Tap 6nm AMD Chip for New 2022 PlayStation 5 – ExtremeTech

この6nmプロセスのSocですが、Ryzen 6800Uで使用されているとのこと。

SIEは1800万台の出荷を予定している
  • 2021年度 見込み1,480万台 → 結果1,150万台
  • 2022年度 見込み1,800万台 → 結果???

先の決算発表の中で、2022年度のPS5出荷台数を1,800万台と見込んでいました。「2021年度が1,480万台を見込んで1,150万台しか出荷できなかったんだから難しいでしょ」と思っていましたし、半導体不足は2024年度まで続くとも言われていますから、また下方修正濃厚かなと。

でもここまで大きな数字が見込めるのは、供給数増加が見込めるCFI-1200があるからかもしれない。

7nm → 6nmで供給安定する理由

現在、PS5のSoCは7nmプロセスです。これを6nmに変更するとなぜ供給数が増えるのかというところですが、プロセスルールを微細化するほど「歩留まり率の向上」が期待できるからです。
「歩留まり率」は、ざっくり言えば良品が作れる確率。100万台分の素材があっても、歩留まり率が60%なら生産数は60万台になってしまう。

これまでPS5の供給不足の原因は単純に「半導体不足」と言われる事が多いですが、細かく見ると歩留まりが50%程度とも言われて、SoCを生産しても半分が不良品になってしまうからだと。
ソニー、PS5の生産台数を400万台削減、チップ生産に苦慮-関係者 | Bloomberg
↑の記事が出た時は、「Bloombergのネガキャンだ!」という反応も多かったですが、実際に2021年度は予定より330万台減の出荷となったという結果があり、その原因の1つに歩留まり率の悪さがあるのは今となっては否定しにくいところ。

さらに、この7nmプロセスの悪い歩留まり率はXboxも同じであり、Xboxアーキテクトのジェフ・アンドリュー氏が7nmプロセスの歩留まり率の低さを認めていました。

しかし、マイクロソフトによると、7nm製造プロセスのウェハ価格は、Xbox Oneのチップ製造に使われている16nm技術より高い。7nmプロセスの歩留まり率も低く、Xbox Series Xの各チップを製造するための全体的なコストが上昇していることを意味する。
Xbox Series X May Give Your Wallet a Workout Due to High Chip Manufacturing Costs | PCMag UK

PS5でもXbox Seriesでも生産の足を引っ張っている7nmプロセスの歩留まり率の悪さ。これが6nmプロセスに変わって向上すれば、少なくとも今までよりは出荷が安定しそうです。

なんにせよ『CFI-1200 seires』の発売はほぼ確実で、そこで6nmプロセスのSoCに変わっているかどうかが最大の注目点。
7nm→6nmでどのくらい歩留まり率が高まったかは、専門メディアから情報が出てくるかどうかというところ。

これに加えて半導体不足の状況がどうなるかとか、チップの製造ラインがどうなるかなどの事情もある。
SIEが1,800万台を見込んでいるのは、それなりの理由があるはずですから、良い材料があるのでしょう。

なんにしてもハードが普及しなければPS5のソフトも増えていかないし、いつまでもPS4とのマルチでもある。既にPS5を所有している人にとっても重要な問題ですから『CFI-1200 seires』に供給数増加を期待したいところ。

PS4のマイナーチェンジモデルはCUH-1200AB01・CUH-1200AB02が2015年6月24日(水)でしたから、PS5で言うと6/22(水)が同時期になります。

技適を通過してから販売開始されるまでのタイミングは製品によって大幅に異なるでしょう。最近だとGalaxy Tab S8に付属するSペンが1月28日付で技適通過して、Galaxy Tab S8+は4月21日から販売開始されました。motorola edge 30 PROは未発表時の1月5日付でXT2201-1の技適を取得し、当初は4月下旬に販売予定でした。延期して6月3日に販売開始されました。
技適通過から販売開始までの統一されたような基準はないですから、参考にはならないでしょう。

5/31(火)~6/24(金)には『CFI-1200 seires』が出ているかもしれない。

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