『地球防衛軍6』がシリーズ史上最速で30万本突破したようです。このヒットに習って、ダウンロード版のプレオーダー15%OFFは7,000円以上の全ゲームがやってほしいところ。
シリーズ史上最速での30万本突破!
\EDF!EDF!/
最新作『地球防衛軍6』販売本数30万本突破!
EDFシリーズ史上最速、発売一週間内での快挙です🎉#EDF6 はまだまだEDF隊員を募集中!https://t.co/zg4IC7pGDX
いつかまた街に人があふれる時が来る、俺たちが戦い続ければな! pic.twitter.com/dSQcTvxplu— 地球防衛軍(EDF)公式🌏 (@EDF_OFFICIAL) September 2, 2022
発売してから7日(1週)内での30万本突破とのこと。
『地球防衛軍6』の発売日は8月25日(木)、最初のパッケージ版の週販は8月28日(日)までの4日間でPS4版が68,341本、PS5版が24,363本で合計92,704本。そこから3日分の上乗せがある。ファミ通が出す数字は小売店の推定販売本数であり、パブリッシャーの言う「売上」は「出荷」ですから、店の在庫も30万本の中に含まれる。とすればパッケージ版は15万本前後なのかなと思います。割合的にはダウンロード版が多かった可能性も十分ある。
プレオーダーでの割引が成功したはず
日本は欧米に比べてダウンロード版への移行が鈍いです。でもこのゲームはダウンロード版も多く売れていると推測できる。
ダウンロード版のプレオーダーが、PS Plus会員だと15%OFFの7,633円だったのが、かなり大きいと思う。定価は8,980円。
10%OFFじゃなくて15%OFFなのがツボを押さえているところ。
日本がダウンロード版へ移行しにくい理由として、パッケージ版の価格の安さがある。AmazonやGEOでは新作15~20%OFFなんかは当たり前です。
例えば『ソウルハッカーズ2』はダウンロード版は9,878円、Amazonでパッケージ版なら21%OFFの7,768円。そりゃ大半の人は7,768円を選びますよ。つまらなかったら売ればいいし。
過去記事にも散々「そんな価格でダウンロード版が売れるわけねーよ!」と書いてきましたが、未だに大半のメーカーが無策なまま9,878円や8,778円で売ってコケるのは呆れます。スタートでコケて早期セールのパターン、そんなやり方では盛り上がらない。
パッケージ版が当たり前のように新作15~20%OFFで売られているのに、ダウンロード版は定価という馬鹿馬鹿しい状態でしたから、『地球防衛軍6』みたいにプレオーダーで15%OFFするのは素晴らしく最高です。そして今回の30万本突破は、このやり方が上手くいったとも言えると思う。私自身も15%OFFでプレオーダーした。
あくまで「PS Plus会員」「プレオーダー」での限定的な15%OFFなのだから、パブリッシャーにとって急激な変化ではないはず。定価が7,000円を超えるようなゲームは全部やるべき。10%OFFではなく15%OFF。
日本が欧米に比べてダウンロード版への移行が遅れている自覚を持って変えていないとダメだと思う。本や音楽のように「日本は紙でいいんだ」「CDでいいんだ」のノリじゃ、ゲームの市場作りも遅れちゃう…というか既に遅れてるか。いずれば欧米でパッケージ版は作られなくなるでしょう。グローバルな製品ですから日本も追随せざるを得ない。既にスマホやPCのダウンロードゲームが定着していますし、家庭用ゲームのパッケージ版はいずれ滅びる。そうなった時、プレイステーションがダウンロード版に移行できていないとダメージが大きい。
進化幅は小さいがめちゃくちゃハマった
ゲームとしてもシリーズ過去最高にめちゃくちゃ楽しめている。
正直、『5』から大幅には変わっていない。ゲームシステムに大幅な変更はなく、細部にちょっとした変化は感じられた。敵と武器の追加はあり、ミッション数は過去最多。ハードの恩恵はあり、PS5の高速ロードの魅力は大きい。
『5』が好きでしたから、小さな歩幅でも着実な進化があるだけで十分なんです。ストーリーもかなり楽しめて満足した。
低予算で沼にハメるのが上手すぎるゲーム作りだと思った。「あんま変わってないなぁ」「同じ事の繰り返しだなぁ」と思いつつ、ズブズブハマって抜けられないゲーム。
「同じ事の繰り返しだなぁ」は悪い事ではないのも気付く。大作ゲームにありがちだけど、変化をつけるためにいろんな要素を入れるけど、つまらないか面倒なものばかりというパターンがある。オープンワールドゲームの膨大なアクティビティなんかは象徴的。
『地球防衛軍6』は撃ちまくって強化していってストーリーを楽しむところが魅力なので、下手に変化を加えないほうがいい。実際、大ボス戦とか2周目以降は面倒くさいだけだったりする。他のゲームにありがちな車両ミッションとか固定武器に制限されたミッションとかステルスミッションとかストーリーメインの非戦闘ミッションとか、そんな変化は入れなくていいです。同じ事の繰り返し感がある大群との戦闘が、結局一番楽しい。
難点を言えば、武器とアーマーの自動回収だけは導入してほしかったですけどね。ミッションをクリアしないように敵を残してアーマー回収する作業は不格好ですし退屈でつまらない。慣れた作業ではありますから、今さら大きな不満ではないですが。
敵はネイカーがつまらなかったです。Twitterで検索してもとにかく不人気。ゲームをつまらなくしている敵になっちゃっていると思うので修正してほしいところではある。HARDまではマシだけど、高難易度では辛すぎる。
ネイカー | Twitter
最初のミッションで「PS3くらいのグラフィックだな」と思いましたけど、敵のワラワラ感は凄まじいですし、エリア内のほぼ全ての建物が爆発物で破壊できる。グラフィック以外の部分でマシンパワーが生きていて良いです。次の『地球防衛軍』が『The Last of Us Part I』くらいのグラフィックになったとしても、ビルにロケットランチャーを撃っても破壊できないとか敵の数が減ったらゲームとしてはつまらなくなる。グラフィックとのトレードオフで他の部分にマシンパワーが生きるほうが良いです。
不満点は小さく、久しぶりに睡眠時間を削ってしまうハマりっぷりだったので個人的評価は90点。
配信規制は影響したのかな?
このゲームは厳しい配信規制があり、ロンチ時点では中盤までしか配信が許可されていなかった。
最近はゲームの発売日や翌日くらいにエンディングまで全部配信されるケースが多いですから、それが売上に悪影響なのかもしれないと思うところもある。
データがないから陰謀論と同じで個人が思いたいように思うだけですが、とりあえず『地球防衛軍6』は配信規制でシリーズ史上最速の30万本となったという事実だけはある。
絶望の中での『地球防衛軍6』
前の記事で、「『地球防衛軍6』にめっちゃハマっている中、このゲーム内での絶望的な状況が日本でのPS5の現状を彷彿とさせます。」と書きましたけど、実際にPS5の値上げで絶望感のある中で『地球防衛軍6』が最初の希望の光になりましたね。
ゲーム自体が面白くてハマっているのも大きいけど、プレオーダーで15%OFFして、「新作の発売直後で」パッケージ版よりもダウンロード版が売れているであろう状況を作ったのが感動的に嬉しいところ。
「新作の発売直後で」と念を押したのは、パッケージ版は売上にカウントされない中古で流通するし、ダウンロード版は早期に大幅セールも珍しくないので、長期的に見ればダウンロード版のほうが伸びやすいのは当たり前ですからね。でも中古でカウントされないパッケージ版を早期セールや大幅なセールでダウンロード版が追い上げて「ダウンロード版が伸びてます」というアピールは空虚であります。
そういうカラクリなしで『地球防衛軍6』のように発売直後にアピールできるケースは稀です。しかも今回は特別、中古も大幅セールの影響もない発売1週で「ダウンロード版の方が売れてるっぽい?」という発表は今までなかったと思う。7,000円を超えるゲームで初週からダウンロード版の方が売れたのなら、大きな壁を壊したと言える。PCとのマルチならPCは全てダウンロード版ですからダウンロード版が増えますけど、このゲームはPS4・PS5のみで、しかも国内のみですからね。この売れ方は初じゃないかな。
「PS Plus会員」「プレオーダー」での限定的な15%OFFで構いませんから、『地球防衛軍6』に続くパブリッシャーが増えてほしいところ。そうやってダウンロード版への移行を推進する必要がある。日本市場も変わってほしい。
なんにせよ『地球防衛軍6』は最高でした。ダウンロード版プレオーダーで15%OFF、ゲーム自体も面白く、シリーズ史上最速のヒットで続編にも期待できる。
『Saints Row』『地球防衛軍6』『ソウルハッカーズ2』『ディスコ・エリジウムザ・ファイナルカット』『SDガンダム バトルアライアンス』らが競合した週ですが、ダウンロード版プレオーダー15%OFFという狙いも当たり、激戦区を30万本の『地球防衛軍6』が見事に制しました。単に「売れた」ということ以上に、ダウンロード版プレオーダー15%OFFをやっていたことが注目点。日本の新作におけるパッケージ版への依存の強さと、それに大きく関する価格差問題を変えるきっかけになるといいです。
コメント
パケ版とDL版が同じ値段なのは小売への配慮だとは思いますがDLかパケか迷う要因だったのでこういう形の値引きは嬉しいですね