PSVR2シネマティックモードで『Horizon Forbidden West 焦熱の海辺』をクリア

レビュー・感想

PSVR2のシネマティックモードで『Horizon Forbidden West 焦熱の海辺』をクリアした結果、簡易的なVR表示を切望。

画質に問題を感じにくくなっていた

以前に軽くシネマティックモードでゲームプレイした時は、画質が気になるという感想でした。
PSVR2シネマティックモードの感想
『Horizon Forbidden West 焦熱の海辺』では画質の問題を感じにくくなっていて、グラフィックの良さと大画面に感激できました。

まぁこれは2つの理由があって当たり前です。

まず『Horizon Forbidden West 焦熱の海辺』のグラフィックが凄すぎて粗とか低解像度を感じにくい。
そしてPSVR2のゲームしかプレイしていませんでしたから、フォトリアルなゲームから離れていました。「目が肥えた」の逆で「目が痩せた」状態でしたから美麗に見えちゃいます。

とは言え解像度が上がったわけではないですから、一番小さい文字が潰れかけているのを見ると、やはり4Kモニターの精細さとの差は想像できます。
でも4Kモニターでのゲームプレイから離れて、その精細さを忘れることで、シネマティックモードの画質が気になりにくくなるというのは実感しました。

大画面の迫力が凄すぎた

久しぶりの非VRゲームが特別に美麗な『Horizon Forbidden West 焦熱の海辺』であり、画質の問題を感じにくくなった状態でのシネマティックモードでのゲームプレイはド迫力でした。
画面サイズは、左を0、右を15とした時、8でプレイしました。

特にイベントムービーでは実写映画よりキレイに感じられ、本物がそこに存在しているかのよう。
遠景は粗さを隠せませんが、近くはめちゃくちゃキレイですから、大画面に人物が大きく映っている時の美しさと迫力は普通サイズのモニターでは味わえないものがあります。

通常のゲームプレイでも等身大に近いサイズのキャラクターを操作するのは特別な体験です。
本当にミニ映画館のスクリーンでゲームプレイする贅沢さが味わえました。

良いことばかりではなく、大画面の迫力とのトレードオフで全体が見にくくなるのは当たり前であり、ゲームプレイの効率を考えると悪くなると思います。
特に狭い場所でカメラが寄った時に画面の一部分しか見えてないと状況把握が難しくなります。

3Dオーディオもバフる

3Dオーディオも錯覚効果が加わって向上している印象でした。

まず目の前のスクリーン以外が存在しない世界ですから、没入感が高く、音の効果が増すのを実感できました。

そして画面サイズが大きいですから、VRには及ばないにしても本物に近いサイズの世界があると、音の聞こえ方もリアルに感じられます。

これらの効果で、波の音が本当に自分に周囲に海が存在しているように聞こえます。普通のモニターを見ながら聞く音とは印象が大きく変わります。
大画面の迫力は想像できたところですが、音の臨場感がこれほど増すのは予想外でした。

ちょっと脳がバグる

VRゲームばかりやった後に非VRゲームをプレイすると、ちょっと脳がバグります。

非VRなのに脳が勝手に立体で見ようとしている感覚があります。立体で見ようとするけど「よく見たら平面の絵じゃん」となる不思議な感覚です。トリックアートのような驚き。画面奥に向かって歩いている時、奥に向かって3D空間を進んでいるのではなく、画面中央から外に向かって絵が拡大している感覚になる。感覚になる、というか実際そうなのですが。
一周回って、非VRゲームは平面なのに疑似的に立体的に見せている凄い技術のように感じられます。

『Horizon Forbidden West 焦熱の海辺』をクリアしても完全に慣れることはありませんでした。

おそらく普通のモニターでプレイすればここまで脳はバグらないと思いますし、初代PSVRから非VRゲームに戻った時は、これほどの感覚はなかったです。PSVR2のヘッドセットを被った状態でのシネマティックモードの大画面だからこそかと思います。脳がVRゲームとして見ようとしちゃう。

スクワットしながらゲームプレイ

ふざけているようで真面目な話、スクワットしながらゲームプレイできます。
普通のモニターでもできない事はないですが見にくいですし、スタンディングプレイも習慣化されていません。
PSVR2のシネマティックモードなら目の前に大画面がありますからスクワットしても足踏みしても画面は見やすいですし、PSVR2ではスタンディングプレイが習慣化しています。

長時間座ってのゲームプレイは不健康ですし肥満にも繋がります。PSVR2のシネマティックモードでなら、ゲームプレイと軽い運動を兼ねることができます。

簡易的なVR表示に対応してほしい

シネマティックモードの大画面の迫力、そして一番の驚きは3Dオーディオの臨場感の増し方でした。『Horizon Forbidden West 焦熱の海辺』を最後まで堪能できましたし、『ファイナルファンタジーXVI』もPSVR2のシネマティックモードでプレイしようと思えるものでした。

しかし、PSVR2に慣れている状態では非VRゲームをプレイするのは辛いところも感じました。映像は美しいのに立体じゃないところが気持ち悪く感じられますし、平面の世界に物足りなさも感じます。

そんな中、「簡易的なVR表示に対応してほしい」と思いました。
過去記事で、VR専用のAAA級タイトルがリリースされる可能性は0%に近く、『グランツーリスモ7』『バイオハザード ヴィレッジ』のように非VRゲームのA~AAA級タイトルをVR対応する方が現実的だと書きました。
でもそれすらあまりリリースされない現実も見えてきています。この先に見えているのは『バイオハザード RE:4 VRモード』だけです。
ちゃんとVRに対応するのは敷居が高いです。

簡易的なVR表示とは

「簡易的なVR表示に対応」にはわかりやすい例があり、『Nintendo Labo VR KIT』でプレイする『スーパーマリオオデッセイ』『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』のVRモードです。

特に『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』はVRゲームとしては酷評に近く、VRゲームとしてろくに調整されていません。カメラをVR表示に置き換えた程度であり、会話時などはシネマティックモード風の表示になります。酔い対策もされておらず、低フレームレートでもあります。元々VRに対応する予定がなかったゲームを簡易的に対応させた感じです。
『ゼルダの伝説』の公式ブログには「眺めの良い場所、好きなキャラクター、お気に入りの装備など、気になるものがあった時にVRゴーグルで覗いてみる。といった遊び方がオススメです」と書かれており、全編VR対応ながらゲームプレイを勧めている感じではなく、部分的にVRゴーグルで覗くという遊び方を推奨していました。

【Nintendo Labo】VRゴーグルであそべる『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』

VR黎明期で夢を見ていた頃であれば「手抜きのVR対応」として不満をぶつけられたでしょうけど、もうVR専用でA~AAA級ゲームは出ない、非VRゲームからのちゃんとしたVR対応もあまり出ないという現実が見えた今、せめて簡易的なVR表示に対応して『Horizon Forbidden West』や『ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク』などをVRで見てみたいところです。

簡易的なVR表示をやりにくい理由

とは言え『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』みたいなVR対応だと、酔いやフレームレートやUIの問題すらも対応しませんから、それをPSVR2でやると「手抜きのVR対応」としての風当たりは強いかもしれないから、やりにくい事情はあるでしょうけどね。「しっかりしたVR対応はコストに見合わないからやらない、簡易的なVR対応ならやってあげてもいいよ」という背景を全ユーザーが理解できるわけもないでしょうし。ちょっとしたサービスのつもりが「手抜きのVR対応」として叩かれるという割に合わない状況になるのは予想できてしまいます。

『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』も非VRゲームとしての評価が高かったのに、VRモードは酷評多数でした。せっかくの名作に傷がつくような状況にもなります。
「簡易的でいいからやってくれや」と簡単には言えないです。

1つの在り方として定着を

簡易的なVR表示を求める別の理由もあります。VRゲームは主観視点で自分の手を使うゲームが多くなり、その結果、似たようなゲームも増えてきます。『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』のような三人称視点のゲームをVR表示に対応しただけのようなゲームも、VRゲームの1つの在り方として定着させた方が幅が広がって良いんじゃないでしょうか。
VRゲームらしいVRゲームだけを求めるやり方は限界が見えており、素晴らしい非VRゲームを簡易的にVRヘッドセットに対応するという道も進めていかないと厳しいのではないかと思います。
なにより、PS5の最大の強みは多数のA~AAA級タイトルとIPです。それをVRにも生かす方法がゲーム・チェンジャーになれるでしょう。シネマティックモードは非VRですから、その役割は果たせません。

初代PSVRではMoveモーションコントローラーの不便な操作をガマンしながらVRゲームにハマっていましたから、VRゲームの一番の魅力はコントローラー&操作ではないです。ゲームの世界に入れる360度の映像と臨場感のある音。『Horizon Forbidden West 焦熱の海辺』をシネマティックモードでプレイして、平面表現の物足りなさとVR世界の絶対的な魅力を再確認したところもあり「これをVRで見たい」と強く思いました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました