2月16日(金)5時から配信されたXbox公式Podcastにて、マイクロソフトはPS5とNintendo Switchにソフトを提供すると発表しました。
4タイトルが既に決定しており、配信内ではタイトルが明かされなかったものの、The Vergeとファミ通は、ほぼリアルタイムでタイトルを発表していました。
マイクロソフトが『Hi-Fi Rush』など4作品でPS/Switchへの展開を発表。Xboxのハードウェアの継続も明言 | ゲーム・エンタメ最新情報のファミ通.com
- Hi-Fi Rush
Tango Gameworks メタスコア87点 - Pentiment
Obsidian Entertainment, Inc. メタスコア86点 - Sea of Thieves
Rare メタスコア69点 - Grounded
Obsidian Entertainment, Inc. メタスコア82点
比較的高評価のゲームを集めた印象です。
『Sea of Thieves』はオンラインゲームであり、ローンチ時は酷い評価でメタスコアが低くなっていますが、その後のアップデートで良くなっているようです。
しかしながら、この4タイトルは現時点ではメディアの予想という域を出ていませんから、公式発表では違うタイトルが出てくる可能性もあります。
The Vergeのインタビューに応じたフィル・スペンサー氏は、
「今後5年、10年の間に、独占ゲーム、つまり1つのハードウェアに独占的に提供されるゲームは、ゲーム業界においてますます小さくなっていくだろうという基本的な信念を持っています」
「業界として、ゲームが他のプラットフォームで発売されることを否定すべきではないと思います」
と述べており、今後も他のプラットフォームでのリリースを行っていくようです。
Microsoft: four Xbox-exclusive games are coming to PS5 and Nintendo Switch | The Verge
The Vergeには「スペンサー氏は、『スターフィールド』と『インディ・ジョーンズ』は最初の4作には含まれないとしながらも、将来的にこれらのタイトルがPS5で発売される可能性は否定していない」とも書いてあります。
『スターフィールド』はSteamでかなり厳しい評価を受けておりますが、個人的にはPC GAME PASSで実績コンプリートするほどやりました。ベセスダの新作として期待度が高すぎましたし、バグや不便さなど多くの問題はありましたが、80点くらいの良ゲーという印象です。80点では許されない期待度だったから、強めに批判されているところはあると思います。
2001年のセガ以来の大きな動き
家庭用ゲーム機のプラットフォーマーが他の家庭用ゲーム機に本格的にソフトを提供するとなると2001年のセガ以来の大きな動きです。
単発の特例は過去にありました。
『Minecraft』はMojang Studiosがマルチプラットフォームの継続を買収の条件として出していたからPSでも継続されますし、『MLB The Show』はMLBの意向でマルチプラットフォームになりました。
これらはファーストパーティーのタイトルですが、外部の意向によってやらざるをえなかったマルチプラットフォーム展開となります。
セカンドパーティーのタイトルが一定期間後に他プラットフォームに展開されるのは珍しくありません。
SIEでは『デス・ストランディング』が他プラットフォームに提供されています。
MSでは『Ori and the Blind Forest (オリとくらやみの森)』がSwitchで展開されました。…が、この『Ori and the Blind Forest (オリとくらやみの森)』は、開発者はPSでもリリースしたかったけど、MSが許可してくれなかったとコメントしています。Switchでは出してもいいけど、PSでは絶対に出したくないというMSの意志が感じられましたから、今回の4タイトルのPSへの展開は大幅な方針の変更があったんでしょう。
今回の予想される4タイトルは全てがMSのファーストパーティーによるものですから、今までとは事情が違う本格的なマルチプラットフォーム対応に見えます。
PS5やSwitchへソフト提供に踏み切った理由は?
2023年のハード販売台数とGame Passの状況が、この決断の大きな要因なんじゃないかと思います。
2023年のハード販売台数
Ampereの2023年ゲームハード販売台数の分析から見ると、Xbox Series X|Sの不振がはっきり見えていますから、マルチプラットフォーム展開を決定する要因になったのかなと思います。
PS5 | Xbox Series X|S | Switch |
---|---|---|
2,250万台 前年比65%増加↑ |
760万台 前年比15%減少↓ |
1,650万 前年比18%減少↓ |
この2023年の結果を見れば、PS5やSwitchでソフトをリリースしたくなるのは当たり前でもあるでしょう。
ダウンロード版への移行の影響もあり、各プラットフォームのアカウントの依存度は予想以上に強い印象です。ユーザーは購入したゲーム、セーブデータ、フレンドとコミュニティ、トロフィーなどを捨てて他プラットフォームには移行しにくい。複数の機種を持つのはマニアックなユーザーですから多数派にはなりません。1つのゲーム機すら満足にプレイする時間を持てない人が多いかと思います。
自社のゲームをプレイしてほしいなら、メーカー側が他のプラットフォームへソフト提供する方が良いです。
MSのファーストパーティーはSwitchで動くようなタイトルはあまり開発していませんから、今のところPS5へのリリースがメインになりそうです。任天堂の次世代機がXbox Series Sくらいの性能であれば、そちらにもリリースするかもしれません。
フィル・スペンサー氏は「業界として、ゲームが他のプラットフォームで発売されることを否定すべきではないと思います」と言っておりますが、SIEや任天堂からすれば、今のXboxの販売台数ではマルチプラットフォームにするメリットが弱いです。PC(Steam)のような大きな市場にならないと、SIEや任天堂は動かないでしょう。
Game Pass
「全世界で3400万人のGame Passメンバーに向けてWindows PC、もしくはXbox本体にて提供が開始されることをお伝えでき、嬉しく思っています。」とのコメントがありました。
これまでGame Pass会員数の最後の公式発表は2022年1月の2500万人でした。
今回、3400万人だと言っていましたが、これは2023年9月14日にXbox Live Goldが終了し、手続きなしでXbox Game Pass Coreという名前に切り替わったため、これも「Game Pass」に含むようになったという背景があります。Xbox Live Gold(現Xbox Game Pass Core)はオンラインゲームをプレイするのに必要であり、PlayStation Plus エッセンシャルみたいなものです。
従来のGame PassにXbox Live Goldを足した数字ですから、従来のGame Pass自体の伸び悩みは隠せないところ。
2年前のデータとの比較だと、減少した可能性が指摘されています。
Microsoft CONFIRMED they lost 3 million subs and didn't gain any new subs since January 2022
– In January 2022, Game Pass has 22 million subs
– Xbox Live Glod has 15 million subsNow 34 million subscribers (combined number of XBL Gold and Game Pass subs)
34M = 22M + 15M – 3M pic.twitter.com/sig16AksE4
— Tiger (@TigerCA123) February 15, 2024
5/2Redfall→9/6Starfield→10/10Forza Motorsportという流れで期待されたほど伸びず、これもマルチプラットフォームを決断する大きな要因になったかと思います。
この数字だとモバイルでGame Passの需要がほぼなかったのも見えます。フィル・スペンサーにとっては誤算だったかもしれません。モバイル+クラウドで数十億人の市場があるから期待したけど、予想以上に反応がなかったと言える結果。
モバイルは有料アプリですら売れにくいと言われておりますから、ゲームパッドがないと遊びにくく、しかも既存のプレイヤーからも「文字が小さい」と言われることも多い据置ゲームをモバイルでやる人は絶望的に少ないんでしょう。
私はゲームのサブスクには否定的でしたから、Game Passの伸び悩みは予想通りではあります。
ゲームマニアにはわからないサブスクの魅力のなさ | PSVR2非公式ブログ
でも思い切った挑戦をした事は悪くない。素人がダメだろうなと思うものが、本当にダメかどうかはやってみないとわかりませんから。フィル・スペンサーの豪快な行動は魅力です。
2023年のハード販売台数とGame Passの伸び悩みを考えると、マルチプラットフォーム展開は賢明な判断だと言えるでしょう。
PS5によっては良いこと
MSがPS5にソフトを提供するのはPS5にとっては良いことであり、PS5ユーザーとしては歓迎でしょう。
私がPC GAME PASSでプレイした『Grounded』は中々面白かったですから、PS5でプレイできるようになるなら喜ばしい話です。
期待したいけど期待しにくい話としては、ベセスダはMSに買収される前に『The Elder Scrolls V: Skyrim VR』『Fallout 4 VR』『DOOM VFR』らVRゲームにも積極的でした。
これらをPSVR2でもリリースしてほしいですが、おそらく買収後のレイオフでVR関係のスタッフはいなくなっているんじゃないかと思います。
でも一縷の望みを残していると思いたい。
『Fallout 4 VR』はPC+Meta Quest 3でプレイしましたが、ボタン表記がバグってて残念な状態でした。PSVR2でやりたいです。
コメント
このチャンネルももはやpsvr2以外がメインになってきたな、…
ほんとに語ることないんだな
もうpsなんて先見えてるんだから、pcとかpcvrをメインにした方がいいよ。なんか、ゴミを再評価しているようでつまらなくなる。