PS5が11月も北米市場を制して4ヶ月連続で北米での家庭用ゲーム機販売台数でトップになりました。日本では12月下旬から大幅に出荷が増えるようですが…。
欧米ゲームハード販売台数
年月 | アメリカ(NPD) | イギリス(GfK) 台数1位 |
欧州 ※英・独は含まない 台数1位 |
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台数1位 | 金額1位 | |||
2022年1月 | PS5 | PS5 | Switch | Switch |
2022年2月 | Switch | Switch | Switch | Switch |
2022年3月 | Switch | Xbox Series X|S | Xbox Series X|S | Switch |
2022年4月 | Switch | PS5 | PS5 | Switch |
2022年5月 | Switch | Switch | PS5 | Switch |
2022年6月 | Switch | PS5 | PS5 | Switch |
2022年7月 | Switch | PS5 | PS5 | Switch |
2022年8月 | PS5 | PS5 | PS5 | Switch |
2022年9月 | PS5 | PS5 | PS5 | Switch |
2022年10月 | PS5 | PS5 | PS5 | PS5 |
2022年11月 | PS5 | PS5 | Switch | Switch |
今まではTwitterで情報公開していたNPDのMat Piscatella氏ですが、今後はLinkedInで公開するようです。イーロン・マスク氏が好きではないのかもしれない。
LinkedInのMat Piscatella: A surge in PlayStation 5 hardware supply combined with strong sales of new…
今年は11月25日(金)がブラックフライデーでホリデーシーズンに入った北米。11月も販売台数と金額でPS5が1位、2位はSwitch、3位はXbox。
PS5が北米の11月に1位だったのは意外でもあります。
任天堂はホリデーシーズンは特別に力を入れますし、2022年は9月9日に『SPLATOON 3』、10月20日に『MARIO + RABBIDS SPARKS OF HOPE』、11月18日に『POKEMON VIOLET』と『POKEMON SCARLET』をリリースしていて新作ソフトは盤石でした。さすがにサイクルの末期が近づくと伸び悩むところは感じます。2023年はさらに鈍化するでしょうから、満7年となる2024年あたりには次世代機に切り替えるかと思う。
先の任天堂の決算資料で宮本茂氏は「任天堂の強みは新しい遊びをつくりだすことですので、今後も何か新しいハードウェアを発売する際には、既存のハードウェアでは実現できないユニークな遊びを提案したいと思っています」とコメントし、取締役上席執行役員の塩田興氏は「一番大事にしていることは、ハード・ソフト一体型のユニークな製品づくりをすることであり、そこにニンテンドーアカウントを活用した活動をうまく結びつけていければと考えています」とコメントしています。Switchのヒットでも守りに入らず、ユニークな次世代機で勝負してきそうなので発表が楽しみです。
日本も12月下旬から増えるのか?
12月2日に開催された『PlayStation® Partner Awards 2022 Japan Asia』でジム・ライアン氏と浦田樹一郎氏が日本におけるPS5の供給問題の解決を報告しています。
「PlayStation®5の長期的な供給の問題を解決し、この年末商戦から2023年に向けて多くの日本とアジアのお客様へお届けできることを皆様にご報告させていただきます。ご迷惑をおかけしましたが、皆様のご理解とご協力に大変感謝しています。」
浦田樹一郎
「現状、生産は計画を上回るペースで進捗しております。日本においても年末年始にかけて、PS5の供給数を従来に比べ大幅に増やしていける体制をすでに整備しています」
プレイステーション®の2022年を盛り上げたタイトルとクリエイターに感謝を! 「PS Partner Awards 2022」レポート | PlayStation.Blog 日本語
北米のホリデーシーズンは1年で最も商品が売れる期間である11月下旬のサンクスギビングデー(22.11/24)→ブラックフライデー(22.11/25)→サイバーマンデー(22.11/28)がわかりやすいですが、日本で年末商戦というと「12月頭から年末まで」と「12月下旬」のどちらか。浦田樹一郎氏は「年末年始にかけて」と言っているので、PS5の出荷数が「従来に比べ大幅に」増えるのは12月下旬からということになります。
昨年のデータから見ると、12月19日~1月1日までの2週をプレイステーションの年末商戦として位置付けている感じです。
昨年は年始からガクッと落ちているのも問題ですから、2023年は年始も勢いを継続してほしいところ。
PS4の時を含めると「従来に比べ大幅に」というわけではありませんが、日本でも既に深刻な出荷不足は改善しています。マイナーチェンジ版のCFI-1200の投入が効いていますね。
ただ、PS4の時と同等の出荷ではダメなんです。PS4は日本での発売3ヶ月後くらいから余って売れにくい状況で、そこからソフトの充実や価格改定で徐々に伸ばしていった。PS5は最初からずっと品不足で転売商材になっている状況が続いていますから、過去にない大量出荷での改善が求められる。
週 | PS5 | Xbox Series X|S | ||
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2021年 | 2022年 | 2021年 | 2022年 | |
10月3日 | 15,885 | 5,546 | 3,447 | 797 |
10月10日 | 18,709 | 20,297 | 4,187 | 3,551 |
10月17日 | 14,280 | 28,661 | 3,889 | 4,158 |
10月24日 | 24,016 | 38,866 | 2,862 | 3,674 |
10月30日 | 10,120 | 13,274 | 2,593 | 3,113 |
11月7日 | 4,910 | 28,716 | 2,593 | 748 |
11月14日 | 4,307 | 31,858 | 3,422 | 1,527 |
11月21日 | 8,987 | 50,920 | 633 | 11,939 |
11月28日 | 1,919 | 27,835 | 558 | 1,854 |
12月5日 | 1,133 | – | 805 | – |
12月12日 | 8,664 | – | 2,889 | – |
12月19日 | 72,084 | – | 2,159 | – |
12月26日 | ||||
1月2日 | 10,677 | – | 263 | – |
1月9日 | 14,453 | – | 2,267 | – |
1月16日 | 18,857 | – | 2,627 | – |
PS5は2021年10月4日~12月5日までの9週で週平均11,459台でしたが、2022年は10月3日~12月4日までの9週で週平均27,330台と大幅に増えています。
Xbox Series X|Sは2021年10月4日~12月5日までの9週で週平均2,687台、2022年は10月3日~12月4日までの9週で週平均3,484台という微増。
PS5とXbox Series X|Sの大きな差は、PS5値上げの時の記事の予想通りでした。
9月15日からPS5の値上げとマイナーチェンジ版の投入 | PSVR2非公式ブログ
長く続いた半導体不足が改善され、出荷が増えて当然であるはずの2022年10月以降。PS5は値上げしたがしっかり日本へ出荷した。Xbox Series X|Sは日本への出荷を抑えた。
Xbox Series X|Sみたいに値上げせずに日本へは出荷しないという判断は嬉しくないし、日本で売る気がない物の価格据え置きに意味は感じにくい。
PS5は昨年比で微増だったら久しぶりのジム・ライアン叩きのネタになったところですが、日本への出荷が大幅に増えていますから、値上げの意味と正当性は結果で示したと言える。
MSはソフトを$59.99から$69.99に値上げしましたし、先の決算で本体価格の値上げも示唆していましたからホリデーシーズン後に本体も値上げするかもしれない。そうなれば日本への出荷も増えるかも。一時期の$1=152円という急激な円安ドル高から今は$1=136円にまで戻しましたから、為替の状況次第でもあるかと思う。感覚がズレて$1=136円が円高のように感じてしまう時もありますが、まだまだ深刻な円安です。PS5の価格は$1=120円くらいの設定ですから、せめて$1=120円台にならないと厳しいし、PS4発売の2013年末から2022年3月までは100~115円が普通だったんです。予断を許さない状況は続く。
改善が見えるとは言えPS5はまだまだ出荷不足。買取価格も未だに74,000円であり転売商材となっている状況は変わらないし、欲しい人が欲しい時にAmazonやビックカメラの通販で買える状況になった事もない。この状況を打破するには、とにかく大量出荷しかなく、ジム・ライアン氏や浦田樹一郎氏が言う「従来に比べ大幅に増える」という出荷に期待するのみ。既に欧米や日本での出荷増が見えていますから、今までのような大ボラ感は出てないとも思う。
日本でPS5本体が普及しないと日本のゲームとコミュニティが盛り上がりませんし、ローカライズもされなくなります。既にPS5を所有している人にとっても今後日本でPS5が普及する意味は大きい。
ローカライズに関してはPCとXboxも影響を受けるところではある。『ウィッチャー3』は当時の配信中に日本で5万本売れてもド赤字と言っており、PC版からの利益はなくてPS4とXboxOneが頼りという状況の中で、5万本売るためにはPS4版の売上が重要だった。
ふみいち「要はローカライズデータをあげただけっていう」
本間覚氏「あげてます。正直かなり太っ腹って自分で言うのもアレなんですけど、無料でご提供させていただいてるんで」
(中略)
本間覚氏「ただ私個人もしくはスパイク・チュンソフトとしては、ここでですねPS4版とXboxOne版が売れないとですね、まぁ先にも繋がらないんで」
(中略)
本間覚氏「5万本じゃド赤字なんで」
大作がフルボイスで丁寧にローカライズされるには、大きなプレイステーションの市場がないと厳しい。
昨日のThe Game Awards 2022の発表は2023年のPS5の盛り上がりを期待させるものでした。注目は2023年6月までにPS5が余る状況になれているかどうか。6月2日『ストリートファイター6』、6月6日『ディアブロ IV』、そして6月22日の『ファイナルファンタジー16』までには、Amazonやビックカメラの通販でいつでも買える状況になっているようになれば良いですね。
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