2023年5月8日に配信された『Organ Quarter』の概要と感想。
『Organ Quarter』とは?
『Organ Quarter』は、90年代のサバイバルホラー体験へのオマージュが盛り込まれた作品で、魅力的な悪夢であふれたVR世界に浸りながら探索と謎解きが楽しめるVRサバイバルホラーゲームです。
悪夢と化した街を舞台にした長編ホラーアドベンチャーで、プレイヤーは身のすくむような悪夢のなかを生き残るために探索し、限られた道具を駆使しながら様々な謎に挑んでいきます。
Organ Quarter | AMATA Games
2017年10月20日にSteamでリリースされていて、非常に好評(89%/263件)という高い評価を得ています。
Steam版は日本語未対応となっておりますが、AMATA GamesがPSVR2版のローカライズを担当し、PSVR2版は日本語字幕に対応しています。
操作方法
移動はアナログ移動とテレポート移動との選択式。
私はアナログ移動でプレイしました。左スティックで移動、右スティックで視点操作。視点切替はスナップorスムースが選択でき、ビネットのサイズも変更可能。VRの基本的なオプションは備えています。
△でマップを開く。
□でインベントリを開く。
L1で持つ・離す。
L2でダッシュ
×で武器切替。
R1でリロード。
R2で銃撃。
良かったところ
90年代のサバイバルホラー体験へのオマージュ
『バイオハザード』と『サイレントヒル』のVRオマージュという感じです。この言葉のまんまで、これが素晴らしい。クラシックなサバイバルホラーゲームの雰囲気というか味がありつつ、現代的なVRゲームという不思議な感覚。
アパートや大学を探索し、敵を倒しつつ弾薬や回復アイテムを入手。『バイオハザード』っぽいパズルもありつつ、先に進むためのキーアイテムを入手し、ボスエリアでボスを倒す。
古典的なサバイバルホラーゲームのVR版です。
セーフルームとアイテムボックスもあり『バイオハザード』っぽいなぁと思いました。
探索の面白さはVRならではのところがあり、棚の裏や便器の中など、覗いて確認しないと見えないところに弾薬や回復アイテムがあります。ちょっとした宝探しの面白さがあり、見つけると気持ちいいです。
ゲームバランスが良い
難易度は「カジュアル」と「サバイバルホラー」があり、私は「カジュアル」でプレイして難易度は易しめに感じました。VRなのに懐かしいという雰囲気の良さが魅力ですから、ゲームオーバーになりにくいゲームで良かったです。
トロフィーは難易度不問であり、「カジュアル」でもプラチナトロフィーが狙えます。ちなみに1周クリア時点でトロフィーは残り2つでした。
パズルも取って付けたようなものではなく、易しめながら自分で考えて気付ける心地よさが感じられました。
クリアまで実時間で4時間ほどでした。2,860円のゲームですから悪くないかと思います。低価格のわりに意外とロケーションが多く、贅沢に感じました。
ジャンプスケアがないホラー
ホラーゲームとして怖いかといえば怖くないです。私は怖いのが苦手ですから「ほどほどの雰囲気」で大歓迎です。
ジャンプスケアがまったくなく、戦闘も多くないですから、不気味な場所を不安を抱えながら探索する時間が多めで「そこを歩く、という恐怖。」がしっかり感じられてセンスの良さを感じました。
そしてこの「そこを歩く、という恐怖。」はゲーム世界に入れるVRの強い魅力であり、非VRゲームの3倍くらいに感じられます。
気になったところ
レトロな味があるグラフィック
このゲームを予備知識なしでプレイして、グラフィックの第一印象は「ショボ!」でした。PS2.5くらいの粗いテクスチャと簡素なモデリングに感じました。
でもこのゲームに限らずですが、ラインティングとシャドウで生々しい質感に感じられ、粗いテクスチャのはずなのにリアルな存在感を感じる場面もあります。魔法がかかったみたいになります。
チープなところもありますが、『バイオハザード』や『サイレントヒル』のオマージュが感じられますから、それもレトロな味として受け入れやすいです。
スッキリシャープなグラフィックであり、文字も読みやすいです。
チープな戦闘
現代的な目で見ると戦闘はチープです。単調な動きの敵をパスパスと撃つだけ。
でもおそらく初代『バイオハザード』のオマージュです。初代『バイオハザード』のゾンビを撃つ感覚をVRで体験しているように感じられました。
ボスが数体いるのは2,860円のゲームにしては贅沢です。
でもボス戦の内容は65~70点というところ。そこまで悪くはないですけど、ザコ湧き戦闘だったりして微妙。
魅力に欠けるストーリーとキャラクター
『バイオハザード』や『サイレントヒル』のオマージュにしてはストーリーとキャラクターに魅力が感じられませんでした。
探索と戦闘のサバイバルホラーゲームとして楽しめましたが、ストーリーとキャラクターは添え物程度の存在です。
まとめ
- グラフィック:★★★☆☆
グラフィックは評価が難しいです。★2.5にも★3.5にも感じられます。粗いテクスチャやチープなモデリングではあるものの、ライティングとシャドウで良い質感になっています。『バイオハザード』や『サイレントヒル』のVRオマージュですから、チープなところもレトロな味になるのはズルい。 - ストーリー:★★☆☆☆
良いゲームですからストーリーとキャラクターは頑張ってほしかったです。 - 酔い度:★★★★☆
自由移動のゲームですけど動きは遅いです。 - 総合:★★★★☆
あくまで「2,860円の低価格ゲーム」として★3.5くらいのまとまりのある良作B級ホラーです。バランスよく作られており、ストレスを感じにくくて遊びやすかったです。Steam版の評価が高いのも納得です。
『バイオハザード』や『サイレントヒル』のVRオマージュというわかりやすい魅力がしっかり感じられました。逆にいうと『バイオハザード』や『サイレントヒル』を未プレイの人は本作を楽しみにくいかもしれません。
プラチナトロフィーも獲得しやすく、良作を楽しんでプラチナトロフィー獲得で締めて、気持ち良く終われます。
Steamでの評価件数が多くない本作、隠れた良作のPSVR2版リリースが有難い。
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