日本では販売されなかった『Pavlov』($24.99)をプレイしてみました。
『Pavlov VR』は2017年2月28日からSteamで早期アクセスが開始されていたマルチプレイのVR FPSです。Steamでは非常に好評(94%/33,189件)という高い評価を得ています。
PSストアでは『Pavlov』という名前になっていますが、タイトル画面は『Pavlov VR』でした。PS5版は容量が18.7GBあり、さすがPCVRのゲームだなと思います。
銃の操作が面白い
右手で撃つ場合、R1かR2で銃を持ってR2で銃撃。
左手を近づけてL1で両手持ち。反動が少なくなって狙いやすくなります。
R1とL1はトグルとホールドの設定があります。トグルは1回押しただけで銃を持ちっぱなしで、ホールドなら押し続けている間だけ銃を持ちます。デフォルト設定はトグルですが私はホールドの方がやりやすいと思いました。
R1の設定がホールドであっても、R2で銃を持った時はR1をホールドしていなくても銃を持ったままになります。R1で銃を持った場合はR1を離すと銃を落とします。
タッチセンサーにも対応しており、R2に指が触れているとゲーム内の手もトリガーに指をかけます。
マガジンの捨て方は2パターンあります。○ボタンで捨てるか、マガジンをL2でつかんで外して捨てるか。
腰の左にあるマガジンポーチからL2で弾をつかんで各銃の所定の位置に込める。
コッキングもL2でつかんで行いますが、コッキングの位置も銃によって違います。
リボルバーが特にカッコ良かったです。
弾が空になったら○ボタンでシリンダーを開き、銃を上に向けて空の弾を落とす。
マガジンポーチから1発ずつ弾を取ってシリンダーに込める。弾を込める時も銃を上に向けていると弾が落ちちゃいます。
手首をクイッと動かしてシリンダーをセットする。
弾が空だったりコッキングをしていないと撃てないわけですが、R2のアダプティブトリガーの抵抗で判断できるのも良いです。
銃撃時のアダプティブトリガーの抵抗も本物の銃っぽいです。銃撃の重さの振動もあり、PS VR2 SenseコントローラーとFPSの相性の良さを感じられます。
銃によっては弾を込める場所がわからなかったり、コッキングの場所がわからないのですけど、適当にいじくりながら理解していくのも楽しいです。
銃の操作に詳しくなって、リロードが速くなるという上達も感じられ、手動で高速リロードが気持ち良すぎます。
チュートリアル時点では「面倒くさそう」という気持ちでしたし、最初は難しくてやりにくいと思う人が多数かもしれません。でも自然と慣れていきますし、めちゃくちゃ楽しいです。自動車のミッションの楽しさに似ているのかもしれない。自分でカチャカチャやっている手触り感に気分が上がります。
そしてサイトを覗いての銃撃も、本物の銃を扱っている感覚になります。
片手で雑に撃っている時の当たらなさもゲーム的な補正でなくて、片手で雑に撃っているリアルな当たらなさだと感じられます。
自分で銃を持ってサイトを覗いて銃撃しますから、敵を倒した時の達成感は非VRゲームとは比較にならないほどです。1キルに重みがあり、めちゃくちゃ楽しいです。
その他の操作
△でデータ表示
OPTIONSでオプションメニュー。
しゃがみはボタンではなく自分自身がしゃがむ。しゃがみ状態だと移動速度が遅くなります。
L3でダッシュですけど、銃口を前に向けている時はダッシュできません。
ラジオは手を耳に近づけてL2かR2を長押しです。
グラフィックはクリア
グラフィックはクリアな印象です。オブジェクトが多かったり精細に描き込んであるわけじゃなく、スッキリとクリア。見やすくてゲームプレイしやすいです。
満足度は★★★★☆くらいで印象は良いです。
部分的にチープなところもありますが、現行の家庭用VRゲーム機として無理しすぎていない丁度良いバランスで作られています。
マップによって印象が大きく変わります。Stalingradは粗く感じましたが、Santoriniは良い感じでした。
オフラインのモードもある
オンラインマルチプレイFPSという印象が強い『Pavlov』ですが、オフラインプレイモードもありました。とは言えメインになるようなものではなく、シングルプレイでサクッと練習できる程度のものです。
操作に慣れるまでの難しさがありますから、オフラインプレイモードで練習できるのは嬉しいです。
- ZOMBIES
いわゆるHorde Modeです。ウェーブごとに出現するゾンビを一掃する。ウェーブの合間に戦利品ボックスが届きます。
ゾンビのAIやモーションやモデリングがチープに感じられました。あくまでマルチプレイのゲームであり、敵AIの作り方は上手くないと感じます。 - HUNT
ひたすらBOTと戦い続けます。 - GUN
BOTを倒すとそのBOTの武器を入手できます。 - TEAM DEATHMATCH
BOT達と5対5のバトル。制限時間内のトータルスコアで勝敗が決まります。 - SEARCH & DESTROY
BOT達と5対5のバトル。SEARCHの要素はほとんど感じられず、全滅させれば勝ちでした。
全てのモードで難易度選択が可能です。
ZOMBIES以外は10種類の中からマップを選択できます。各マップを見て回るだけでも楽しいです。
別枠でTRAININGモードもあり、チュートリアルの再プレイや射撃場で様々な銃が撃てます。
TRAININGモード内のKILL HOUSEは的を撃ちながら家の中を進んでスコアを競うモードです。
ゴア表現
日本で発売できなかったのはゴア表現の問題である可能性が高いです。北米版がESRBレイティングでM(17+)ですから、CEROだとDかZになります。IARCであれば18+になる可能性もあります。
オプションにGoreのON/OFFがありますから、日本版はOFF強制にすればレイティング的には問題ないでしょうけど、独自仕様にしてまで日本版をリリースする可能性は低そうですね。そもそも日本語に未対応ですし。
初のオンラインプレイ
BOT戦を全10マップやった後に初のオンラインプレイ。
オンラインプレイに参加するには、既にクリエイトされている部屋に入るか、自分で部屋をクリエイトするか。
自分で部屋をクリエイトする場合、まずPVPかCOOPかを選択します。COOPはオフラインプレイモードのZOMBIESを協力プレイするだけであり、メインはPVPになるかと思います。PVPでの選べるゲームルールは12種類ありました。
- Search & Destroy
- Team Deathmatch
- Deathmatch
- Gun Game
- WW2 Gun Game
- WW2 TDM
- King of The Hill
- One in The Chamber
- TTT
- The Hide
- Infection
- Prop Hunt
マップ、チーム、地域の選択も可能です。
さらにPrivate Lobby、Friends Only、Botsの選択も可能です。
地域はAmerica、Europe、Asia Pacificに分かれており、私は当然ながらAsiaPacificの部屋に入りました。ルールはTeam Deathmatchでした。
サバゲー感
サバゲーをしている感じがすばらしかったです。
その場所に自分がいて、触り心地が本物のような銃を持っている。
しばらくすると銃声が聞こえる。敵か味方かわからないが、銃声の方に近づいてみる。味方をキルした直後の敵を発見し、まだ気付かれていないことに高揚しながらアイアンサイトを覗いてトリガーを引く。初のキル。タマランです。
そしてマガジンを捨て、新たなマガジンをセットしてコッキング。両手で銃を持って次の敵を探す。
5対5のTeam Deathmatchですから、まず敵を探すのがかくれんぼみたいで楽しいし、銃や足音を気にしながら歩く緊張感が良いです。撃ち合うだけのゲームではなく、バイオハザードの「そこを歩く、という恐怖。」も感じられます。
物陰からサッと頭を出して確認しようとすると、味方から誤射されることもありました。緊張感のある戦場で敵を探していると、そういうこともあります。それも楽しい。
操作とグラフィックに大きな不満がないのが素晴らしいです。初代PSVRでは操作とグラフィックに大きな問題がありましたから、PSVR2での進化を感じます。
操作に関しては不満どころか感動レベルでした。本物の銃を持っているような感覚が加わるだけで、FPSがここまでワクワクできる遊びに変わるとは。
『バイオハザード ヴィレッジ』も『The Light Brigade』もそうですが、非VRゲームのかんたん操作に慣れていると最初はVRゲームの銃操作を難しすぎると感じて普通かと思います。慣れると非VRゲームの銃操作には戻れない強すぎる魅力を感じます。非VRゲームのワンボタンリロードよりも自分の手動リロードの方が速いと思え始めたらワンボタンリロードには戻れません。
基本部分の出来が良い感じですが唯一、自分の足音のバランスは違和感を覚えました。
このゲームの難点は酔いやすさですね。左スティックで自由に移動しながら難しい銃の操作もこなす酔いやすさMAXのゲームだと思いますから、VR慣れした上級者向けのゲームです。サバゲー体験が素晴らしいですが、そこに興味を持ってVR初体験がこのゲームだとゲロ酔い間違いなしです。
$24.99は安すぎると思いました。このゲームをプレイしていると、今後のVR FPSへの夢も広がります。銃の操作がめちゃくちゃ楽しいですから、シングルプレイでがっつりプレイできるようなFPSにも期待します。
『Pavlov』を購入するには北米アカウントが必要ですが、オンラインプレイを含むゲームプレイは日本アカウントで可能です。その場合、北米アカウントでログインしてPS5の「設定」→「ユーザーとアカウント」→「その他」→「コンテンツ共有とオフラインプレイ」を「有効にする」にする必要があります。
『Pavlov』がとても良い感じですから『Firewall Ultra』がどんな具合かも気になりますね。
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