やや古い話題になりますが、2022年7月26日にPSVR2の続報がありました。改めてPSVR2について思ったことを全部書きました。
PlayStation®VR2のユーザー体験をご紹介! – PlayStation.Blog 日本語
『PlayStation VR2』として正式発表されたのが2022年1月5日。
基本仕様に関する感想は、その時に書いています。
PSVR2が正式発表 | PS5非公式サイト
– | PSVR2 | PSVR |
---|---|---|
表示方法 | OLED | OLED |
パネル解像度 | 片目 2000×2040 | 片目 960×1080 |
リフレッシュレート | 90Hz、120Hz | 90Hz、120Hz |
レンズの分離 | 調整可能 | 調整不可 |
視野 | 110度 | 100度 |
モーションセンサー | 6軸検出システム (3軸ジャイロ・3軸加速度) |
6軸検出システム (3軸ジャイロ・3軸加速度) |
装着センサー | IR近接センサー | – |
カメラ | トラッキングカメラx4 IRカメラx2(視線トラッキング用) |
なし |
オーディオ | 内蔵マイク ステレオヘッドホンジャック |
内蔵マイク ステレオヘッドホンジャック |
フィードバック | ヘッドセットの振動 | なし |
Foveated Rendering | 対応 | 非対応 |
シースルービュー | 対応 | 非対応 |
自分のプレイ中の姿を配信 | 対応 | 非対応 |
プレイエリアのカスタマイズ | 対応 | 非対応 |
接続 | USB Type-C | HDMI、USB |
ヘッドセット重量 | ? | 600g |
発売日 | 2023年? | 2016年10月13日 |
価格 | ? | 税別44,980円 |
VR機器いろいろ
PSVR2がPSVRから進化しているのは当然として、他のVR機器と比較してどうかというところ。
- 2022年6月24日 Pico Neo3 Link 49,280円
片眼1832×1920/98度/90~120Hz/385g/スタンドアロン対応 - 2021年11月18日 VIVE Flow 59,990円
片眼1600×1600/100度/75Hz/189g - 2021年10月15日 VIVE Pro 2(フルセット) 178,990円
片眼2448×2448/120度/90~120Hz/815g - 2021年1月28日 HP Reverb G2 VR Headset 65,780円~
片眼2160×2160/114度/90Hz - 2020年10月13日 Meta Quest 2 59,400円~
片眼1832×1920/90度/90~120Hz/503g/スタンドアロン対応 - 2020年5月29日 Pimax 8K(ヘッドセットのみ) 115,500円
片眼3840×2160/200度/75Hz/593g/PC接続対応 - 2019年6月28日 Valve Index(フルセット) 138,380円
片眼1440×1600/130度/80~144Hz/748g
強い製品はMeta Quest 2だけ
いろんなVR機器が出ていますが、競合製品として意識するのはMeta Quest 2だけでいいと言えます。
Statistaの発表によると、2018年のVR市場はSonyが43%、Oculusが19.4%、HTCが12.9%、その他24.7%。PSVRの発売は2016年10月ですから、2017年はもっとSonyの割合が高ったでしょう。
IDCの発表によると、2021年ではMetaが78%で一強。2位がDPVRでわずか5.1%、3位がPico VRで4.5%。
過去にVR機器でヒットしたのは、PSVRの約500万台とMeta Quest 2の約1,500万台だけです。今はMeta Quest 2の一強状態であり、それ以外の売れなかった製品との競争を意識する意味はないでしょう。
これの意味というのは「現状はスペックで無理をする必要がない」というのが大きい。
正直、Meta Quest 2以外のVR機器は存在感がない。Meta Quest 2以外の売れてないVR機器に合わせて無理してスペックを上げて価格も上がっちゃう失敗はしなくていい。5%のシェアも取れない高性能VR機器がPSVR2の発売前後に次々出ても何の影響もないでしょう。Metaしか存在していないような偏り方ですから「この性能ではVR機器としてはすぐ時代遅れになる」なんて考える必要がほぼない特殊な状況であります。
シェアを持ってないVR機器と張り合う意味はなく、ほぼ独占状態であるMetaのシェアを崩せるかどうか。シェアを崩せるかというと違うところもあり、「%」的にはPSVR2が伸ばしたいところだけど、MetaとSonyでそれぞれVR市場を広げる事が大事。
この状況なら、スペックで無理しすぎず価格で頑張るのが正解。
普及機としてのバランス
家庭用ゲーム機の強みはコストパフォーマンスであり、普及機としてのバランスの良い価格と性能が求められる。片眼解像度4Kにして10万円超えになっちゃうとコストパフォーマンスが悪すぎて普及機としては論外。
59,400円のMeta Quest 2が片眼1832×1920、59,990円のVIVE Flowが片眼1600×1600、49,280円のPico Neo3 Linkが片眼1832×1920である事を考えると、PSVR2の片眼2000×2040は絶妙な設定かと思う。片眼1832×1920も片眼2000×2040も違いがわからんだろと思うけど、スペック比較をされた場合は数字の大きさは印象が良いものでしょう。
一応言っておくと、解像度=ゲームの性能ではないですからね。解像度は解像度でしかない。PS3もPS4もフルHD/60fpsのゲーム機ですが、ゲームのクオリティは段違いです。PSVR2はPS5の性能でゲームを動かしますから、スタンドアロンのVRとは性能が数段違いなのでかなり期待できる。
逆に無駄に解像度が高くても、PS5の性能で8K/90fpsなんていうVRゲームを作るのは難しいでしょうから、ゲーム用途ではあまり意味がない。
リフレッシュレート120Hzは普及機としては最高レベルなので文句ナシ。
視野角は110度。普及機は90~100度の設定が多いですから視野の広さは十分ですが、その分密度は薄くなります。PPDというものがあり、これは視野角1度あたりのピクセル数で測定される解像度。PSVR2は片眼解像度2000÷視野角110度=PPD18.2となる。
Meta Quest 2の視野角は正式な発表はなかったかと思いますが、世界最大のディスプレイ学会『Display Week 2022』において、MetaはMeta Quest 2のPPDは21だと公表しています。逆算して1832÷21=87.2ですから、視野角は約90度になる。視野はやや狭いが密度は高め。
私は視野が設定できるゲームでは視野を広くしますから、密度より視野を重視したPSVR2の判断は嬉しいです。
PSVRにはなかったFoveated Renderingにも対応。これは中心視野に集中して画質を最適化できる技術。中心視野、つまりよく見える部分だけをめっちゃキレイに表示するので、少ないマシンパワーでも体感での画質がとても良く感じる。
そしてアダプティブトリガー/ハプティックフィードバックも大きな強み。VRゲーム中は錯覚効果が強くなりますから、モニターを見てゲームをプレイする時よりも数倍に感度が上がって触覚を楽しめると思う。
VRゲームは体感の強さが魅力ですから、他のVR機器にはない大きなアドバンテージにもなる。
PSVR2はOLED(有機EL)を継続させたのも素晴らしい。QuestはQuest 2からLCD(液晶ディスプレイ)になり、コストカットはできたけどVR機器としての映像品質は落ち、黒色の表現がイマイチで「黒浮き」と呼ばれる問題があります。液晶だと黒が白っぽくというか薄い感じになる。
PSユーザーならVITAが液晶に変わってしまった時に、黒が白っぽくなったのを知っているかもしれません。
【速報】新型PS Vita「PCH-2000」発売。取り急ぎ液晶と有機ELの「黒」と「色合い」を比較してみた | 4Gamer
最新のPico Neo3 LinkもLCDですから、PSVR2が普及機なのにOLEDなのは贅沢に感じる。VR世界において、黒がちゃんと黒いというのは、かなり大きなアドバンテージかと思う。
今後はさらに高品質なマイクロOLEDの製品も増えてくると思いますが、現状は価格がクソ高くなってしまうでしょうから、普及機にそれを求めるのは論外なのでしょう。
レンズもフレネルレンズとパンケーキレンズがあり、パンケーキレンズのほうが新しい技術。パンケーキレンズは美しいけどP95という製品は視野角が95度しかないらしく、視野を重視するPSVR2に搭載するには至らずフレネルレンズを採用したようです。
ちなみにマイクロOLEDとパンケーキレンズを採用したarpara AIO 5Kは13万1880円とのこと。「最新技術導入にしてはめっちゃ安いじゃん!」と思ったけど、kickstarterのコメント欄が大荒れで問題アリみたいです。
arpara™: World’s First 5K Micro-OLED All-in-One VR Headset | kickstarter
RGB配列なのかペンタイル配列なのかというところも重要です。ペンタイル配列だと網目が目立つ問題があります。
初代PSVRはRGB配列で網目が目立ちにくくて評価された部分。PSVR2は明記されていません。
価格が再重要
PSVR2は普及機としては豪華すぎると思うけど、価格が高かったら普及機としての有難味は薄まる。Quest→Quest 2でコストカットして部分的に品質は落ちたけど、49,800円(64GB)→37,180円(128GB)という低価格化が大きな強みになって大ヒットした。やっぱり普及機は価格が最重要なんだと思う。細部にこだわっても価格がちょっと高くなったら通用しない。
強すぎる追い風として、2022年8月1日からMeta Quest 2が大幅値上げとなりました。低価格が強い魅力だったのに、それを失った。
世界的な値上げであり、日本だけの円安への対応というわけではありません。日本の値上げ幅は大きいですから円安の影響はある。「逆ザヤに限界」という記事もあり、ハードは赤字で普及させてシェアを固める狙いだったようですね。痛かったでしょうけどそれは成功してる。
- 128GB 37,180円 → 税込59,400円
- 256GB 49,280円 → 税込74,400円
VR史上最大のヒット製品が59,400円となり、PSVR2がPS5と同じ税込54,780円(499.99ドル/499.99ユーロ)であっても割高感を感じにくくなりました。
PSVR2はスタンドアロンではないですから大きめのストレージを積む必要もないですし、PSVRと違ってプロセッサーユニットもありませんし、PlayStation Camera同梱版である必要もないですから、現実的にPS5DEと同じ税込43,780円(399.99ドル/399.99ユーロ)もありえるけど、今回は専用コントローラーも同梱するでしょうから難しいか。
かと言って定価が高いとその時点で売れないのは確定的ですから、PS5と同じ税込54,780円が天井で、これを超えたらアウトかと思う。PS5DEと同じ税込43,780円(399.99ドル/399.99ユーロ)ならVR機器としては安い。
解像度は普及機の中で「ちょっと上」を突いたので、価格は普及機の中で「ちょっと下」を突けたらいいですね。
私の予想はズバリ税込49,478円(税別44,980円)。単に初代PSVRと同じ価格です。
当時のPSVRが税込48,578円、Meta Quest 2が逆ザヤで税込37,180円となると、普及機として売れるための価格設定は本当にシビア。50,000円超えたら勝負にならないかなという感じすらある。PSVR2はコントローラーも含めて普及機としては贅沢な内容に見えますから、50,000円未満にするのは難しいかとも思うけど、そこはクリアしないと普及は難しいかなと思う。
不安な点は、Meta Quest 2が59,400円になったからジム・ライアンもあぐらをかいて59,980円くらいに設定しちゃうこと。Meta Quest 2は37,180円だったから売れたのであり、今のMeta Quest 2の価格に合わせてもPSVR2は売れないでしょう。Meta Quest 2みたいに最初は逆ザヤでシェアを固める覚悟は必要。
重量
PSVR2のヘッドセットの外観やら細かいスペックが出ているのに重量が未発表なのは意外です。
軽さが売りなら数字を見せていると思うから、ちょっと重めなのかもしれないけど、外観を見るとPSVRよりはスマートですから、600g未満かなとは思う。Meta Quest 2の503gより重く、PSVRの600gよりは軽いと予想。
それよりも装着感の方が大事。これは装着してみるまでわからない。Meta Quest 2は前方に重量が乗り過ぎて重さを感じやすくなり、装着感の評判は良くなかったです。これもコストカットの影響だと考えられる。結局、別売りのアクセサリーをオススメしている人が多く、その分の追加費用と重さもある。
ヘッドセットが500gで別途アクセサリーの購入が必要になるよりも、600gで標準のまま満足度の高い装着感があるほうが大事。だから単純にヘッドセットの重量で判断できず、装着感を気にする必要がある。重量だけじゃなくて締め付け具合も大事ですね。SIEが重量を発表していないのも、その数字だけで判断されるのを嫌ったのかもしれない。
今後は発売前に体験した人のレビューなんかもあるでしょうから、装着感についてのレビューも注目ポイント。
トレンドはスタンドアロン
Meta Quest 2が大ヒットして以来、スタンドアロンのVR機器がもてはやされる傾向にあると感じます。かつてない大ヒットなのだから当然です。
過去記事にも書きましたが、私はPSVR2のスタンドアロンは反対でしたし、既にスタンドアロンではないという結果も出ているので良かったです。
PSVR2をスタンドアロンにしてしまうと、通常のPS5と携帯仕様のPSVR2という、かなり性能の低い携帯機との縦マルチ状態になり、ソフトのクオリティで足を引っ張られるのが予想できる。ケーブル1本でPS5の性能を生かしたソフト開発をするか、スタンドアロン&無線化して携帯ゲーム機の性能をベースにしたソフト開発するかという選択の中で、私はスタンドアロン化は望まない。
単に売れるかどうかの話なら、PS5を持っていない人にも売れるスタンドアロンの方が良いと思います。私はPSVR→PSVR2での進化を味わいたいのに、スタンドアロン化したらPS4クオリティにも届かないでしょうからゲームがチープになってしまう。携帯ゲーム機としてのVRゲームをプレイしたいなら、それこそ大ヒットしてるMeta Quest 2で十分。PSVR2が同じ方向を後追いして同じようなクオリティのゲームを出しても刺激を感じにくいですから、PS5の性能をフルに生かせる形で良かったです。ソフト開発における動作環境の最低基準がPS5というVR機器の方がワクワクしますよ。
VRゲームのロード画面は急に現実世界に戻されて萎えるポイントですが、PS5の高速ロードならその点も大きなアドバンテージがある。
Meta Quest Proが約20万円になるという噂も出ていました。
Meta Quest Pro lang:ja | Twitter
スタンドアロンでスペックを求めると、ハイスペックスマートフォンと同等以上の価格は避けられない。
PSVR2のソフトの情報はあまり出ていませんから今回はハードメインの話になりますが、Meta Quest 2と大きく差をつけられる可能性があるのはソフトですから、ハードメインで話すと一番大事な部分が見えていない状態でもある。
VRはソフトが弱く、PSVR独占タイトル以外で「『Beat Saber』『VRChat』の他に人気ソフトをどれくらい知ってる?」と聞かれてポンポン言える人は少ないでしょう。『Half-Life: Alyx』『SUPERHOT VR』くらいは知られているかもしれない。でも2016年10月にPSVRがヒットして以来、約6年間でのVRゲーム界のソフトは魅力が弱かったと言えると思う。
PSVR2はスタンドアロンではない、でもだからこそ最低マシンスペックがPS5という前提でソフト開発ができる。ソフト面ではかつてない期待をしています。サードパーティはマルチプラットフォームを意識して抑え気味になるかもしれないけど、SIEには頑張ってほしい。
サードパーティに期待するのは『バイオハザード7』『スカイリム VR』『Borderlands 2 VR』など非VRゲームとして売れる大作のVR化ですね。VR専用ゲームだと金がかけられないから大作は作りにくい。PSVR時代は性能とコントローラーの問題があって非VRゲームのVR化も難しかったでしょうけど、PSVR2ならやりやすくなるはず。
『VRChat』もそうですがVRはゲーム以外の魅力も大きいですから、ゲームソフトだけで見るのは視野が狭いのですけど、まだ十分なゲームを出せていない状況でゲーム以外の期待をしたくないところではあります。PSVR2は最高にゲームが面白いVR機器になってほしい。
PC接続
Meta Quest 2はスタンドアロンだと低性能ですが、PCと接続できるのが強みです。ハイスペックPCと接続してハイクオリティなゲーム体験が可能。
PSVR2が公式にPCでも使用できるどうかは、現時点では不明。
私は過去記事で、
PSVRの時とは事情が違い、まずPCにも対応しないと購入する人が限られて売れなくなって廃れるという結果がPSVRで見えたこと。そしてジム・ライアン体制のSIEはPCへのソフト展開に積極的であること。ゆえにPSVR2のPC対応は可能性が高いと思っています。
PCに対応して皆がPSVR2専用ソフトを遊ばずPCVRゲームばかりするのではないかという懸念は、そもそもPSVR2本体が売れずにすぐ廃れる問題に比べると、小さすぎる問題です。
私はPSVR2がPCに対応できなかったら、その時点で失敗確定だと思う。初代PSVRと同様に最初だけ話題になってすぐ廃れるしかない。
と書いていて「PSVR2がPCに対応できなかったら、その時点で失敗確定」とまで言っており、それは今も変わらない。おそらくPS4の時よりもPS5の出荷台数が少ない状況でのPSVR2の発売になりますし、VR自体が「コケた」「失敗した」というネガティブなイメージを持たれていて、PSVRの時よりも状況が悪いです。しかもVR市場の78%をMetaが持っている中で、PS5専用のVR機器じゃ話にならない。
でも、冷静に考えたらPCでの使用は心配いらない気がする。
そもそも、プロセッサーユニットを介する特殊なPSVRですら、公式対応はなくてもユーザーレベルではPCでも使用できました。
USBケーブル1本で繋がるPSVR2をPCで使用するのは難しくないでしょう。非公式でなら。
非公式ならPCでも使えるでしょうという前提で、SIEが公式にPC対応を表明するのか、PCVRゲームに本格参入するかはポイント。SteamでもYoutubeでも普通に使えると良いですね。
ヘッドセットだけじゃなく、Dual SenseはSteamやiOSで公式に対応していますし、PSVR2のコントローラーも対応する可能性は十分ある。
ジム・ライアン体制になってPCへの移植のための会社を買収してるくらいだから、今のVRの状況を考えるとPSVR2をPCに対応させない可能性は低いと思ってる。発売時点では公式には未対応で、しばらくして公式対応するパターンはあるかもしれない。PSVR2のロンチタイトルのPC移植かなんかで。ロンチ時にPC対応を発表してPC向けに使われるよりは、PS5ユーザーにPSVR2ゲームを買ってもらいたいでしょうしね。そこまで考えるとロンチ時にPC対応が発表されていなくても、失敗確定だと騒ぐ必要はない。
PCへの対応は価格の満足度にも直結する。
PCの普及台数は言うまでもなくPS5より圧倒的に多いでしょう。まだまだPS5を所有している人は少ないですから、PSVR2がPS5専用であるなら、PS5(43,978円・54,780円)も買わないといけない人は多い。PSVR2が低価格であっても10万円級の出費になる。
既に所有しているPCで使えるなら5万円前後だけでいい。Meta Quest 2が59,400円になりましたから、PSVR2の方が安ければPC用にも選ばれやすい。
無線化の難しさ
PSVR2はUSBケーブル1本で繋ぎます。これに対してMeta Quest 2は無線に対応しています。
PSVRは原則的には移動を求められず座ってプレイできます。動き回るVRと違って無線化しても快適さが大幅にアップするわけではありません。マルチタイトルなんかは立ってプレイした方がいいものもありますけどね。初代PSVRのケーブルのゴチャゴチャ感は酷かったですが、それがUSBケーブル1本になるなら良いです。
ただ、「Meta Quest 2は無線」「PSVR2はUSBケーブル1本」というところを見れば、多くの人は「無線にしてくれよ」と思うところでしょう。実際の使用感よりも、印象的にマイナスイメージが大きい。
無線接続は有線接続に比べて安定性を欠くという問題がありますが、これに関してはユーザーが納得して選択すればいい話。
無線でのプレイに対応するとなると、ヘッドセットにそれなりの長時間プレイに対応できるバッテリーを搭載しないといけなくなる問題の方が大きいかなと思う。Meta Quest 2でも充電時間1.5時間で2時間程度のゲームプレイ。
Meta Quest 2はスタンドアロンの携帯ゲーム機でもありますから無線対応は必須なんですけど、PSVR2がPSVRと同様に座りプレイが前提であるなら、無理して無線化する意味は感じにくい。充電不要でケーブル繋ぎっぱなしの方が良い気がする。
無線への対応に関しては、世間的な印象を考えると無線にも対応した方が良いんじゃないかなとも思う。もしかしたら後発でヘッドセットにバッテリーを搭載した無線対応タイプが出るかもしれない。VALVE INDEXをワイヤレス化するサードパーティ製のトランスミッターが発表されたというニュースもあり、後付け機器でのワイヤレス化もありえなくはない話。
個人的には安定性重視で充電作業もしたくないので、ケーブル1本で繋ぎっぱなしの方が嬉しい。
発売日
1日でも早く発売してほしいですが、2023年になると思っています。
2022年6月3日のPS公式ブログで『The Walking Dead: Saints & Sinners – Chapter 2: Retribution』の記事があり、
PS VR2『The Walking Dead: Saints & Sinners – Chapter 2: Retribution』発表! 新たな武器やさらに恐ろしくなった脅威を紹介! – PlayStation.Blog 日本語
と書いてあります。PSVR版が2022年、PSVR2版が2023年。PSVR2が2022年内に発売できる見込みなら、この注目作をPSVR2版だけ遅らせる判断はしないかと思う。ロンチの目玉にもなる魅力がありますから、PSVR版を中止してPSVR2のロンチに合わせたほうが良いでしょう。
2023年3月23日に発売される『バイオハザード RE:4』にPSVR2のコンテンツも入れる予定があるというところで、2023年の上半期にPSVR2が発売されるのかな?と思う。PS4以降は9~11月にハードを出していますが、そこは厳守されるものではないと思う。
遅くなりすぎるとMeta Questの新機種が出て、PSVR2の影が薄くなる懸念もある。
PS3(2006年)→PS4(2013年)→PS5(2020年)が7年周期ですから、PSVR2が2023年ならPSVR(2016年)→PSVR2(2023年?)も7年周期となります。
PCに公式対応するかは不明ながら、あくまでメインはPS5の周辺機器になりますから、PS5の普及を3年待ってからPSVR2をリリースするのも計画的で良い判断。
こういった事情から2023年に発売されると思う。ドル円も$1=115円くらいには戻ってほしいところ。
ついでに言うと最初のほうに「現状はスペックで無理をする必要がない」と書きましたが、PSVRが6~7年も持たなかったように、PSVR2もMeta Quest 2ですらも低価格の普及機は6~7年は持たないと思う。SIEがVR事業を本気で継続するなら、4年後にPSVR2 Proなんかが必要になってきそう。初代PSVRのような特殊な作りではありませんから、特定のハードに縛られないPS5/PS6/PC兼用で計画している可能性はあるんじゃないでしょうか。
PSVR2でスペックを背伸びして6万円や7万円になるより、低価格を意識してスペックは無理せず、4年くらいのスパンでアップグレードモデルに繋ぐほうが現実的かと思う。
コントローラーは100%同梱するべき
リークとも言えない根拠のない噂で、PSVR2のコントローラー同梱版が$499でコントローラー無し版が$399というのをどこかで見た。冷静に考えればコントローラーの有無で$100の差は考えにくいけど、なんにしてもコントローラーは本体に100%付属する必要がある。
過去記事で、
PS Moveを使い回したことでコストダウンには成功したでしょうけど、素晴らしい『スカイリムVR』や『Borderlands 2 VR』などがクソみたいな操作になってしまったマイナス面の方が大きかった。ゲームにおいてコントローラーがクソなのは致命的です。必要な部分の投資を怠ったわかりやすい失敗例。
と書いていて、
オキュラスのコントローラーに似ているのも良い。VRゲームは市場が小さいですので、マルチプラットフォームでなければサードパーティーは生き残れず成長もできない。コントローラーは似せた方がマルチプラットフォームに対応しやすい。単にVRに最適化した専用コントローラーというだけではなく、PS5のアダプティブトリガーとハプティックフィードバックへの対応が最高です。VRゲーム中は錯覚効果が強くなり、プレイ中に手が物に触れるとビクッとしてしまう。その感度が高い状態でのアダプティブトリガーとハプティックフィードバックは素晴らしい体験を得られそう。銃のトリガーの重さや振動などが、平面のゲームとは比べ物にならない本物感があるんじゃないでしょうか。
PSVR2の新しいコントローラーへの期待はMAXでした。これは素晴らしいものになりそうだと。
でも、「コントローラー無し版」をやってしまうと、新しいVRコントローラーはPSVR2付属のコントローラーではなくなり、ただのオプション品になる。
そうなるとソフトメーカーもVRコントローラーに特化できず、DualSenseでプレイできるゲームにしないと売りにくくなってしまう。後でVRコントローラーを買えばいいという問題ではなくなる。結局また、コントローラー面での不便が生まれる。定価を安く見せるためのせせこましい売り方のために、取り返しのつかない事になる。PS Moveを使い回した時と同じように、大事なところをせこくやってしまって、結果的にそれ以上の損失を生むような失敗を繰り返すのは勘弁。普及機はいろんなところを削って価格を安くするのが大事だけど、間違った削り方をしてはいけない。
コントローラー以外でも、そもそも複数パッケージは良くないです。PSVRの時は既にカメラを持っている人もいたので複数パッケージも仕方なしですが、今回はそういう問題はありませんから1パッケージで売るべき。素晴らしそうなVRコントローラーは、別売りのオプションではなく100%付属するものになって、ソフトメーカーがDualSenseに気を遣わずVRコントローラーに特化できる環境にする必要があります。
一番期待する製品だけど状況は厳しい
とりあえず、今のところ公式のPSVR2に関する発表には大満足で、かなり期待しています。粗削りだった初代PSVRから洗練されて、家庭用ゲーム機のVR機器として価格と性能のバランスが整った完成度の高いものになると思う。今後のPS5に関わるソフトとハードの中で一番楽しみなのがPSVR2です。
楽しみだけどヒットするかどうかで言えば、今のところかなり厳しいとは思う。PSVRは当時としては大ヒットして、それで私のようにVRが好きになった人もいるけど、酔ったり完成度の低いゲームをプレイしてVRが嫌いになった人もいるでしょう。SIEも長期的に力の入ったサポートをしたとは言えず、2020年頃には存在感がありませんでした。切り捨てのような状況でユーザーの信頼も失い、その後継機が6~7年ぶりに出てヒットするとは思いにくい。かなり前にPSVRの糸が切れた状態で、その間にMetaがスタンドアロン・無線・PC兼用・低価格のVR機器でブレイクし、シェア78%という圧倒的な存在になっている。
PSVR2の状況は不利だろうけど、けん引力のある魅力的なソフトで盛り上げてほしいところ。PSVRも好きでしたから「個人的には楽しみ」で、発売直後には「個人的には大満足」になれると思うけど、ハードが売れなきゃソフトも出なくなるし早期に開店休業状態になってしまう。その懸念を払拭する盛り上がるネタが欲しいところではあります。まぁ発売が2023年なら今すぐ情報を出してもあまり意味がないから、もうちょっと待つ必要はありそう。
いろいろな情報が出たけど、発売日、正式なPCサポート、ソフトの詳細、メタバース展開の詳細、重量、価格らの重要な情報がまだ出てない。今後の発表が楽しみです。
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