ローンチ時期以降のPSVR2タイトルの問題と期待

アナライズ

SIEはローンチから1ヶ月をローンチ時期としていました。それ以降のタイトルラインナップの問題と期待があります。

目次

PSVR2ソフト発売スケジュール

※発売済PSVR2独占VRゲーム

2022年3月10日(金)

2022年3月16日(木)

2022年3月21日(火)

2022年3月22日(水)

2023年3月30日(木)

2022年4月4日(火)

2022年4月6日(木)

2023年5月25日(木)

発売時期未定

ハード牽引は難しい

今のところ見えているPSVR2のラインナップは「PSVR2というハードを牽引するかどうか」という視点で見ると難しい印象です。
個人的には既に18本のPSVR2ゲームをプレイして非常に満足度が高く、まだまだやりたいゲームに手を出せていないほどでもありますが、VRゲームを積極的に掘る人は少数派でしょう。「PSVR2というハードを牽引するかどうか」という視点で見たら、特に日本においては厳しい状況にあると言わざるを得ません。

そもそもVRゲームを売るのは非常に難しく、Meta QuestですらMeta Connect 2022でジョン・カーマック氏が語ったように、自社ストアが利用されない難しさがあります。

過去記事で、PS公式ブログに「現在、PS VR2向けに100本以上のタイトルが開発されています。」と書かれていた事にも触れましたけど、この数字は意味を感じにくいです。ローンチ時期だけでMeta Questマルチが30タイトル以上リリースされていますから、Meta Questマルチだけで100本以上は開発されているでしょう。でもそれだとハードは牽引は難しそうです。個人的には楽しめますけどね。

グランツーリスモ7とバイオハザードが話題の中心

Twitter/Youtube/ブログの反応を見た印象では、PSVR2の最も大きな話題となっているタイトルは『グランツーリスモ7』であり、次に『バイオハザード ヴィレッジ』です。日本で古くから馴染みあるIPですから当然でもあります。
『グランツーリスモ7』は高価なハンドルコントローラーを買う人も多く、ゲーム自体もライブサービスゲームみたいですからアクティブユーザーを維持しており注目度は高いです。

少し離れて『Horizon Call of the Mountain』『Kayak VR:Mirage』、コアな固定ファンがいる『ノーマンズスカイ』『Rez Infinite』あたりの反応もチラホラあります。

まず重要なのは人気IPだという事に疑いの余地はありません。もしくはクリエイター・メーカーなどの「名前」ですね。
VRゲームは体験しないと凄さが伝わらないどころか、映像やスクリーンショットでは逆にショボく見えてしまいますから、人気IPやクリエイターの名前で注目してもらった方が気を引きやすいと思います。

非VRゲームのVR化が最重要

VR黎明期にはイノベーターやアーリーアダプターと言われる層が掘り起こした『Beat Saber』『SUPERHOT VR』らがVRゲームのアイコン的に大ヒットしましたが、最近はこれらに並ぶタイトルは出にくくなっている印象です。
過去記事にも書きましたけど、Wiiでいう『Wii Sports』『はじめてのWii』に留まるのではなく、『NewスーパーマリオブラザーズWii』『マリオカートWii』『大乱闘スマッシュブラザーズX』などの従来の人気ゲームに繋げる必要があります。
PSVR2のゲームは次のステージに行けるか? | PSVR2非公式ブログ

で、これに関してはローンチ時期だけで見れば良い傾向があります。『グランツーリスモ7』『バイオハザード ヴィレッジ』『ノーマンズスカイ』が本編フル対応という素晴らしさ。あくまで次のビッグタイトルが見えていないという問題と不安ですから、今後もA~AAA級の非VRゲームがVRにフル対応するなら素晴らしいです。オマケコンテンツではなく本編級のVR対応であるのが重要です。

大きな動きとして期待するのは、A~AAA級の非VRゲームの新作がVR対応する事ですね。
『バイオハザード ヴィレッジ』は2021年5月7日リリースであり、『グランツーリスモ7』は2022年3月4日リリースでした。旧作でもPSVR2の話題の中心になれるほどですから、新作がリリース日にPSVR2に対応したら大きな驚きを与えられるでしょう。

私はPSVR2の今後の最重要ポイントは、大作の非VRゲームをVR化する事だと考えます。
そりゃあVR専用ゲームの超大作が定期的にリリースされれば最高ですし、駄々をこねて実現するならこね続けたいですが、現実的にそんな事はありえないと言えるような話です。小さなVRプラットフォームのゲーム開発にお金はかけられませんから。

でもPSVR2にはA~AAA級タイトルを強く求めたいですから、現実的に継続可能なやり方としては『バイオハザード ヴィレッジ』『グランツーリスモ7』『ノーマンズスカイ』のような、非VRゲームのVR化しかありません。
これは「仕方ないからそうするしかない…」というネガティブな話ではなく、大作の非VRゲームをVR化してくれるなんて超嬉しい話でしかありません。そしてその例をローンチで見せてくれましたので期待は高ります。これはMeta PlatformsではできないPlayStationならではの強みでもあります。

PSVR2の宣伝としても強いです。大作の非VRゲームは注目度が高く、その度に「PSVR2版いいぞ!」という声があれば興味を引けます。それは実際『グランツーリスモ7』が証明しているとも思います。

見えている注目作としては『バイオハザード RE:4』が2023年2月22日に「VRモードが開発スタート!」と発表されました。詳細は不明であり、昨年の発表の時は「VRコンテンツもあるよ」くらいの印象を受けた発表でしたが、もしかしたら力を入れたVRモードになるのかもしれません。2023年2月22日に「開発スタート!」の発表で、いつ完成するのかも気になるところです。

なんにせよPSVR2には太い軸が継続的に必要です。『Half-Life: Alyx』級のVR専用ゲームが定期的にリリースされるのは現実的にありえないと思いますし、実際Valveも出せていません。それを求めて1本出て終わりでは焼け石に水、非VRゲームのVR化を続けることこそがPSVR2の最重要ポイントであり、大きな成長への道と考えます。
軸となる大作がPSVR2を牽引し、そこで集まってきたユーザーが他のVRゲームにも興味を広げていくというのが理想です。プラットフォームが大きくなれば、VR専用ゲームにお金をかけられるようにもなります。

それ専用で買わせるゲーム

大作以外でのポイントもあります。

これ(グランツーリスモ7)をPSVR2に対応したのは非常に良い選択だと思います。ステアリングコントローラーなどの環境に数十万円使うようなファンがたくさんいて、「この1本のために金と時間を注げる」というタイプのゲームは、VRに対応した時にユーザーを連れて来る。フライトシミュレーターとか『電車でGO!』もそういうタイプかもしれない。
「この1本のために金と時間を注げる」という特別なパワーが必要であり、非VRゲームでそこそこ人気のタイトルでも「この1本のために74,980円のPSVR2を買うのはなぁ…」と思われるゲームでは弱い。

過去記事で書いていたこれも大事です。Meta Questマルチで80点超級の評価ができるゲームも多いですが、「この1本のために金と時間を注げる」という特別なパワーは感じにくいです。
PSVRで言えば『初音ミクVR』『サマーレッスン』『デッド オア アライブ エクストリーム 3』『エースコンバット7』あたりは、強いファンがいるなという印象があります。
ライトなファンが多い10万本タイトルよりも、コアなファンが多い1万本タイトルのほうがハードの牽引力はあるんじゃないでしょうか。これは非VRでも同じではありますが、非VRよりも体験として濃いVRですから、差はあると思います。

今のところ見えているラインナップではPSVR2の牽引は難しいという話ですから、今後の発表に期待します。

コメント

  1. 匿名 より:

    フルゲームのVR対応ができるゲームは限られてきますし、別途お金を取ることが難しいのでバイオハザード RE:4のようにAAAタイトルの素材を流用したVRコンテンツの開発に期待してます
    PSVRで発売されたMONSTER OF THE DEEP:FINAL FANTASY XVはAAAタイトルのグラフィックでVRに最適化されたミニゲームを4000円以下で売っていましたし、VRを商売にするのならこっちの方が成立しやすいのかと思います
    バイオハザードはどれも無料で提供しているので異常に太っ腹というか、SIEにコンテンツ制作を依頼されているんでしょうけど、これでは儲からないですからね

  2. 匿名 より:

    ソニー製なんだぞ!!って感じのVRワールドとかアストロボットあたりを最初に出せなかった時点で販売戦略ミスってると思う。。。

  3. 匿名 より:

    Destiny2が最適だと思います。ソニーに買収されたbungie製でVRに向いたFPS
    ライブサービス型で長年支える熱心な固定ファンが世界中にいる

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