PlayStation VR2が正式発表されました。
PSVR2のスペック
– | PSVR2 | PSVR |
---|---|---|
表示方法 | OLED | OLED |
パネル解像度 | 片目 2000×2040 | 片目 960×1080 |
リフレッシュレート | 90Hz、120Hz | 90Hz、120Hz |
レンズの分離 | 調整可能 | 調整不可 |
視野 | 110度 | 100度 |
モーションセンサー | 6軸検出システム (3軸ジャイロ・3軸加速度) |
6軸検出システム (3軸ジャイロ・3軸加速度) |
装着センサー | IR近接センサー | – |
カメラ | トラッキングカメラx4 IRカメラx2(視線トラッキング用) |
なし |
オーディオ | 内蔵マイク ステレオヘッドホンジャック |
内蔵マイク ステレオヘッドホンジャック |
フィードバック | ヘッドセットの振動 | なし |
Foveated Rendering | 対応 | 非対応 |
接続 | USB Type-C | HDMI、USB |
ヘッドセット重量 | ? | 600g |
発売日 | 2022年? | 2016年10月13日 |
価格 | ? | 税別44,980円 |
高価なPC向けの機器と比較しちゃったりする人もいるわけですが、5万円未満の家庭用ゲーム機用のVR機器としてスペックは申し分ないです。現状、見えている部分の中では全て満足。
OLED
パネルタイプはOLEDにこだわってくれているのが嬉しい。液晶よりも表示遅延が小さくて発色が良く、VRに向いていると言われています。
マイクロOLEDは現実的ではありません。arpara 5K マイクロOLED VRヘッドセットがマイクロOLEDを採用していますが、価格は約15万円($1,299)。PSVR2は税抜価格で5万円未満でしょうから、高価なPC向けの機器とそのまま比較しても意味がない。家庭用ゲーム機として価格と性能のバランスが求められる。
解像度が倍
解像度は片目 960×1080から片目 2000×2040となって倍増。2020年10月13日発売のOculus Quest 2が1832×1920ですから、そこは超えてきました。
解像度も丁度良いです。これは高ければ高いほど良いってわけでもなく、例えば8KでVRゲームを作ろうとしたら、マシンのスペックが足りなさ過ぎて、ほとんど動きがないゲームを作るしかなくなり、ゲームの幅が狭くなります。90Hzや120Hzでガンガン動けるゲームを作るための、ほど良い解像度にする必要がある。片目 2000×2040はベストな選択かと思う。2500×2500という選択もあったかもしれないけど、わからないような微妙な解像度のアップでゲームの負荷が重くなるよりは、バランスの良い2000×2040の方が良いんじゃないでしょうか。
PCであれば、マシンスペックが上がる事を想定して無茶な解像度でヘッドセットを開発しても大丈夫でしょうけど、PS5用のPSVR2においてはバランスの良い解像度に設定する必要がある。
片目でフルHD(1920×1080)を超えるとなると、非VRゲームをシネマティックモードでプレイする時のモニターとしても普通に使えるレベルかもしれない。120fpsにも対応しているし。PSVRの960×1080ではボヤけて物足りなかった。
Foveated Rendering対応
かなり大きなポイントがFoveated Renderingに対応していること。これは中心視野に集中して画質を最適化できる技術。中心視野、つまりよく見える部分だけをめっちゃキレイに表示するので、少ないマシンパワーでも体感での画質がとても良く感じる。
PCゲームの場合、このFoveated Renderingに対応しているヘッドセットとしていないヘッドセットがあるので、Foveated Renderingに特化するわけにもいかない事情があってソフト側の対応も難しくなる。PSVR2はPS5用なので、他社のヘッドセットは気にせずFoveated Renderingへの最適化に特化できるのが大きな強み。
視線の動きを感知するアイトラッキングにも対応しています。
1本のケーブルで接続
PSVRではプロセッサーユニットを経由する仕様であり、プロセッサーユニットのケーブル差込口は何と6個。ケーブルでグチャグチャになるのは避けられない仕様でした。これが「1本のケーブルをPS5に直接接続するだけで、すぐにVR体験に飛び込める」ようになったとのこと。
PS5本体のフロントにUSB Type-Cポートがありますけども、これはPSVR2が使いやすいようにという意味があったのがわかりました。
Oculus Quest 2のような無線機器を求める声も多いでしょうけど、PS5と繋がって動くVR機器としては、通信の安定性と遅延やバッテリーの問題を考えると、私はケーブル1本のほうが良いかなと思っています。
Oculus Quest 2はスタンドアロンと言っても、スタンドアロンでは性能がかなり低いのでソフトもクオリティが低くなる。言ってしまえば携帯ゲーム機のクオリティにしかならない。そこはPS5と繋がるPSVR2が圧倒できる部分かと思います。
PSVR2をスタンドアロンにしてしまうと、通常のPS5と携帯仕様のPSVR2という、かなり性能の低い携帯機との縦マルチ状態になり、ソフトのクオリティで足を引っ張られるのが予想できる。ケーブル1本でPS5の性能を生かしたソフト開発をするか、スタンドアロン&無線化して携帯ゲーム機の性能をベースにしたソフト開発するかという選択の中で、私はスタンドアロン化は望まない。
スタンドアロン化は望まないけど、PCへの対応は可能な限り頑張ったほうが良いかと思う。普及しなきゃ廃れますからね。
PSVRの時とは事情が違い、まずPCにも対応しないと購入する人が限られて売れなくなって廃れるという結果がPSVRで見えたこと。そしてジム・ライアン体制のSIEはPCへのソフト展開に積極的であること。ゆえにPSVR2のPC対応は可能性が高いと思っています。
PCに対応して皆がPSVR2専用ソフトを遊ばずPCVRゲームばかりするのではないかという懸念は、そもそもPSVR2本体が売れずにすぐ廃れる問題に比べると、小さすぎる問題です。
私はPSVR2がPCに対応できなかったら、その時点で失敗確定だと思う。初代PSVRと同様に最初だけ話題になってすぐ廃れるしかない。
無線化に関しては、将来的にオプションとして対応する可能性はありますね。オキュラスクエスト2でもPCとの無線接続では遅延と映像の乱れは避けられませんので、SIEは無線化に慎重になっている感じ。
ナンバリング最高
最近はゲームソフトでもナンバリングをやめる傾向がありますが、個人的にはわかりやすいナンバリングが最高だと思っている。ドラクエやFFは1から最新作まで順番にわかるけど、テイルズオブでは難しかったりして、ナンバリングのわかりやすさを感じます。iPhoneもそうで、Xperiaとかは何世代あるのかとかどれがどれだかもわからないけど、iPhoneのナンバリングはわかりやすい。
PlayStation VR2は完璧なネーミング。ナンバリングじゃない変な名前にならなくて良かった。余談だけど『VITA』も『PSP2』の方が良かったと思っていた。
ヘッドセットの外観は未発表。
気になるのは重量です。PSVRは600g、MetaQuest2は503gです。PSVRはMetaQuest2よりも重いですが、重量バランスと装着が良くて、重さを感じにくい作りになっていました。
PSVR2が素晴らしい装着感で500g未満なら最高です。
コントローラー
- アダプティブトリガー
左右のVRコントローラーそれぞれにアダプティブトリガーボタンを搭載しており、DualSense ワイヤレスコントローラーと同様に、押し込んだ際に抵抗を感じられるようになっています。PS5のゲームをプレイされたことがある方はL2あるいはR2ボタンでおなじみかと思いますが、たとえば、ゲーム内で弓を射る際にその弦の引き絞りを指先で感じることができます。この機能をVRにも適用することで、ゲーム体験を新たなレベルにパワーアップさせることができます。 - ハプティックフィードバック
新たなVRコントローラーの形状に最適化したハプティックフィードバックを搭載しており、ゲーム内でのあらゆる感触をさらに強力に、あるいは手触りやニュアンスが感じられる表現を可能にします。岩石がごろごろと横たわる砂漠を横断している感覚や、近接攻撃で拳を交わし合う感覚など、感触の違いがはっきりと感じられ、VR体験の要である映像やオーディオをさらに際立たせることができます。 - フィンガータッチ機能
コントローラーには、押さずとも触れるだけで指を認識する機能を親指、人差し指、中指が置かれる3ヵ所に搭載しており、ゲームプレイ中も自然なジェスチャーによる操作が可能となります。 - トラッキング
オーブ表面に点在するトラッキング機構により、VRヘッドセットがVRコントローラーをトラッキングします。 - アナログスティック/アクションボタン
左のコントローラーには、アナログスティック・△ボタン・□ボタン・グリップボタン(L1)・トリガーボタン(L2)・クリエイトボタン。
右のコントローラーには、アナログスティック・×ボタン・〇ボタン・グリップボタン(R1)・トリガーボタン(R2)・オプションボタンを搭載しました。
グリップボタンの用途としては、たとえばゲーム内のオブジェクトを「つかむ」といったときに使えます。
はっきり言ってPSVRにおいてコントローラーは大失敗した部分でした。PS Moveを使い回してしまい、アナログスティックがないコントローラーでゲームの幅がとても狭くなってしまった。かと言ってデュアルショック4でプレイするとVRゲームとして魅力が欠ける。
PS Moveを使い回したことでコストダウンには成功したでしょうけど、素晴らしい『スカイリムVR』や『Borderlands 2 VR』などがクソみたいな操作になってしまったマイナス面の方が大きかった。ゲームにおいてコントローラーがクソなのは致命的です。必要な部分の投資を怠ったわかりやすい失敗例。
失敗から学べることは多く、PSVR2のコントローラーは良さそうです。
オキュラスのコントローラーに似ているのも良い。VRゲームは市場が小さいですので、マルチプラットフォームでなければサードパーティーは生き残れず成長もできない。コントローラーは似せた方がマルチプラットフォームに対応しやすい。
単にVRに最適化した専用コントローラーというだけではなく、PS5のアダプティブトリガーとハプティックフィードバックへの対応が最高です。VRゲーム中は錯覚効果が強くなり、プレイ中に手が物に触れるとビクッとしてしまう。その感度が高い状態でのアダプティブトリガーとハプティックフィードバックは素晴らしい体験を得られそう。銃のトリガーの重さや振動などが、平面のゲームとは比べ物にならない本物感があるんじゃないでしょうか。
ソフト
『Horizon』のVRゲーム『Horizon Call of the Mountain』が発表されました。
開発元はGuerrillaとFiresprite。
2021年4月に発表された『RUNNER』もPlayStation VR2に対応。
一番大事なのはソフトです。ぶっちゃけ解像度がどーとか、マイクロOLEDがどーとかよりも、ゲーム機なのでソフトが大事。スペック的にはPS5とPSVR2のスペックで十分かと思います。
ソフトで大衆を満足させているVRプラットフォームは今のところ存在しないと言っても過言ではない。VRゲームランキングなんかを見てもマニア向けの域を出ておらず、VRに興味を持った人がソフトの動画を見れば「ショボい」と思うでしょう。他のVRプラットフォームに魅力を感じにくいのは、ソフトが弱いから。8K マイクロOLEDだろうと、魅力的なソフトがなきゃ意味ない。プレイステーションはソフトで大きくリードできる可能性が高いが、それはSIEのヤル気次第。『バイオハザード7 レジデント イービル』のVRモードは最高でした。「VRゲームの中では良い」じゃなくて、全ゲームの中でGOTY級のトップクラスのゲームがVRで大幅にパワーアップしていた。こういうゲームの開発をバックアップするかが大事。
PS5の超高速ロードもVRゲームでは特に嬉しい。VR世界に入り込んでいる時のロード画面での待ち時間は萎えますし、ヘッドセットを装着しているからスマホで時間も潰せないですからね。
個人的にPSVRでは最高に刺激的な体験を与えてもらいました。でも実験的で粗削りでもあり、コントローラーの問題、解像度の問題、トラッキング精度の問題、接続機器とケーブルの問題、ソフトの問題もありました。それらが洗練されるであろうPSVR2には非常に大きな期待をしています。
発売日を予想すると、2022年10月13日(木)ですかね。PSVRが2016年10月13日(木)でしたから、丁度6年後で曜日も同じ。
コメント
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