PSVR2 Pro級のクオリティ『Red Matter 2』概要と感想

レビュー・感想

2023年5月18日にリリースされた『Red Matter 2』(3,740円)の概要と感想。PSVR2ゲームの中で最高のグラフィックであり、VRゲームとしての完成度も高いです。

『Red Matter 2』とは?

2018年12月11日にPSVRでリリースされていた『Red Matter』の続編です。
前作も高い評価ですが、日本語には未対応でした。

『Red Matter 2』は、プレイヤーをスリル満点の遠い宇宙へと連れ出してくれる、冷戦期ディストピアを舞台にした没入感のあるパズルアドベンチャーゲーム。月面基地にて秘密捜査員に起こされるエージェント、サーシャとなり、謎に満ちたレッドマターの秘密を解き明かそう。

探索、パズル、戦闘、ストーリー、王道的なVRアドベンチャーゲームです。

操作方法

左スティックで移動。
右スティック↑でジェットパック。またはワープ移動。
右スティック←→でカメラ旋回。
右スティック↓でしゃがむ。

oror×でそれぞれの手に持っているデバイスの機能切替。
L2orR2でデバイスの使用。
R1長押しで武器を冷却。

オプションでジェットパックをスムースかワープ移動かの選択ができます。これをワープ移動にするとステルスや戦闘でかなり有利になります。瞬時に移動できますからね。
注意点はワープ時に持っているものがオブジェクトに引っかかって落とす可能性があること。

良かったところ

圧倒的なグラフィック

PSVR2 Proに進化したかのような頭ひとつ抜けたグラフィック、文句なしでPSVR2で最高のグラフィックです。

『グランツーリスモ7』や『Horizon Call of the Mountain』との差を生んでいるのは、VR向きのグラフィックの作り方を知っているところ。

VRでチープに見えがちなのは遠景、草木などの自然、人間です。
そして細々としたオブジェクトが多くあると処理が重くなってグラフィックに力を入れにくくなります。
まぁこれらは非VRでも同じですけどね。でも非VRゲームは自然も人間もリアルに描けますから問題ないですけど、VRゲームはそうではないですから、難しい物を描かないという工夫でグラフィックの印象に大きな差が出ます。

『Red Matter 2』はオブジェクトが少なくて、遠景を見せない室内がほとんどです。草木などの自然もほぼなく、外に出ても宇宙空間なので誤魔化しが利く。
少ないオブジェクトにマシンパワーを注げる構造になっており、オブジェクトの質感が素晴らしいです。


VRゲームはラインティングとシャドウも非常に重要です。世界にリアリティを吹き込む魔法のように機能します。そこもぬかりないです。
このゲームがPSVR2のローンチにリリースされていたら、PSVR2というハードの評価を変えていたであろうほどのグラフィックの力があります。

アイトラッキングフォビエートレンダリング(ETFR)にも対応しています。Meta Qouest Proで実装されていましたしね。やはりVRで高画質を実現するにはアイトラッキングフォビエートレンダリング(ETFR)は必要です。

グラフィックだけで買う理由になります。そのハードで最高のグラフィックのゲームというのは特別な存在です。

優れた操作性

VRゲームは物をつかんだり置いたりする動作が多いです。他のゲームよりも『Red Matter 2』はその操作精度が優れているように感じました。違和感を覚えにくく、ストレスも感じず、自然に操作できます。

凝ったパズル

パズルに使われる装置が凝っていて、バズルのアイデアが面白く、難易度バランスも非常に良いです。
考えて気付いて解ける気持ち良さがあります。

謎めいたストーリー

1周クリアするのに迷いつつ4~5時間ほどでした。
ゲームの軸はストーリー&パズルであり、無線通信の音声と落ちている書類でストーリーが語られます。

ストーリーは謎めいていて興味を引かれるもので、ゲームプレイを牽引する力がありました。
抽象的になりすぎず、ある程度のわかりやすい展開とオチも好印象です。

字幕が読みやすいのも好印象です。
オブジェクトにめり込んでも字幕優先で表示されます。

PSVR2への最適化

グラフィックと操作性が素晴らしく、ヘッドセットの振動も効果的に使っており、クラッシュやバグもありませんでした。

プラチナトロフィー獲得もイージーでした。
『Red Matter 2』プラチナトロフィー攻略メモ
PSVR2への最適化は非常に良いです。

気になったところ

シンプルな戦闘

戦闘はシンプルです。物陰に隠れつつ撃つのみ。
シンプルですがつまらない作業ではないし、グラフィックの力もあってチープさもありません。
「気になったところ」があまりないですから、言うとすればシンプルな戦闘。
戦闘に期待するゲームではないです。

ドアの開閉待ち

おそらくロード待ちの仕掛けであろうドアの開閉待ちがそれなりにあります。
旧世代感のある仕掛けですが、ロード画面を挟まないゲームプレイを実現しているのは素晴らしいです。

リプレイ性が低い

リプレイ性は低く、やり込み要素はありません。
一応「気になったところ」に書いていますが、個人的には悪くないです。『Another Fisheman’s Tale』の感想に書いたように「パズル&ストーリーを1周体験して終わりなのは個人的には悪くないです。収集要素とか取って付けたような要素は不要ですから、パズル&ストーリーだけに集中させるゲームデザインはセンスが良いと思います」です。

低価格ですし、リプレイ性にこだわる必要はありません。
1周+プラチナトロフィー獲得で綺麗に終われます。

前作がPSVR2でプレイできない

『2』単体でも置いてけぼりな感じではなく楽しめましたが、ナンバリングですから前作もPSVR2でプレイしてみたいと思いますね。

まとめ

  • グラフィック:★★★★★
    グラフィックは最高です。約40本プレイしたPSVR2ゲームの中で一番と言えます。
  • ストーリー:★★★☆☆
    冷戦期ディストピアが舞台という面白さがあり、無線通信と書類で丁寧に語られるストーリー。最後までストーリーに興味を引かれてプレイできました。
  • 酔い度:★★★★
    動きは速くないですけど、自由移動のゲームですから酔いやすさはあると思います。
  • 総合:★★★★★
    最高のグラフィック、優れたパズル、そこそこのストーリーとそれなりの戦闘。総合して★5に値する完成度と満足度があります。

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