2023年5月19日にリリースされた『牧場の惑星(Rhythm Planet)』の概要と感想。
『Rhythm Planet』とは?
一見すると『Beat Saber』系のゲームですが、『リズム天国』のようなゲームであり、リズムに乗る事が大事です。
『Beat Saber』と『リズム天国』をミックスさせたようなVRリズムゲームです。
操作方法
あまりボタンは使用しません。
L2orR2で握ったり、ライトセーバーをONにしたり、銃撃したりします。
1ステージだけ、腕を振って走る操作と腕を上げてジャンプする操作があります。
マイクを使って音を検知する操作もあります。
ただ、これは周囲の雑音も拾ってしまうので難しいです。私は音が漏れるスピーカーを使用していますから、それを拾ってしまいました。
良かったところ
全て違う個性を持った20ステージ
全20ステージあり、驚くべき事に全てのステージが違う個性を持っています。
バリスタ、ゴールキーパー、刀、バット、ライトセイバー、バドミントン、卓球、ヘディング、声、ピザ、銃撃、太鼓…。扱う道具が違いますから、全てのステージにチュートリアルもあります。
ステージデザインも凝っています。
2,859円の低価格ゲームとは思えないほどの力の入り具合です。
『Beat Saber』系とも言い切れないほど、独自のアレンジがあります。
『Beat Saber』+『リズム天国』
VRゲームには『Beat Saber』系のリズムゲームは多いです。今後も増えるでしょうし食傷気味にもなるでしょう。
でもこのゲームの『リズム天国』っぽいアプローチは面白いと思いました。
『リズム天国』が持つシンプルでありながら楽しくリズム乗れるシステムは良いものです。
気になったところ
任天堂の真似は難しい
『Beat Saber』+『リズム天国』というアイデアは良いですが、楽しくて気持ち良いゲームに仕上がっているかと言えばそうではないです。
まず当たり判定が厳しくて難しく感じるステージがあります。リズムに乗っていても空振りしてミスになる。しかも「なんでこれでダメなんだよ」と思っちゃうような事も多く、気持ち良くプレイできません。もちろん練習して精度を高めれば高確率で当てられるようになると思いますが、シンプルなリズムゲームでそれを求められるのは面白く感じません。高難易度ステージとしてはアリですけど。
これは個性的なステージを増やし過ぎたことも関係していると思います。1つのステージの作り込みは甘く感じます。
音楽はリズムゲームらしい軽快な音楽ではありますが、おしゃれさとかカッコ良さは感じにくく平凡です。
かわいらしい絵柄ですけど、これも生き生きしておらず平凡さが感じられます。
『リズム天国』は、シンプルなゲーム性の上に個性的な音楽とキャラクターとシチュエーションが乗っていて絶妙な味になっているのを痛感します。
当たり判定にストレスが溜まり、音も絵も平凡だと魅力は激減します。『Beat Saber』+『リズム天国』で面白そうなゲームなのに、なんかイマイチ面白くないな…という状態になります。
SIEもPS3時代に『リトルビッグプラネット カーティング』『プレイステーション オールスター・バトルロイヤル』ら任天堂のゲームを真似たようなものをリリースしていましたが、セールスと評価で遠く及んでいませんでした。
インディーズでは『どうぶつの森』や『マリオ64』に影響を受けたようなゲームも散見され、それらも本家には遠く及びません。
任天堂の洗練されたゲームバランスやセンスを真似するのは難しいです。
このゲームの場合、当たり判定を緩くして気持ち良くリズムに乗れるようにして、音楽と絵に面白い個性を持った人を起用すれば化けるでしょうけど、それはただの妄想でしかありません。
まとめ
- グラフィック:★★★☆☆
画質は並ですが、全20ステージの個性は良いですし、かわいらしい絵柄も悪くはないです。 - ストーリー:なし
- 酔い度:★☆☆☆☆
移動がなく、酔いにくいVRゲームです。 - 総合:★★☆☆☆
『Beat Saber』+『リズム天国』のVRリズムゲームというアイデアは良いです。しかし、シンプルな料理ほど味付けのセンスが問われるように、シンプルなゲームほど味付けのセンスが問われます。
価格のわりに豪華ですし、それなりの形になっていて20ステージの中には楽しい瞬間もありますが、シンプルなゲームを極上の味に仕上げる味付けのセンスが足りていない印象です。
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