PSVR2と同時リリースだった新作『The Light Brigade』をクリアしたので概要と感想。
ローグライクでソウルライク
公式に「戦術型ローグライクシューティング」と謳われており、ローグライクなVRガンシューティングです。
自動生成されたマップで敵を殲滅し、最奥で祈ると次のマップに進めるというシンプルなシステム。厳密に言えば敵を殲滅しなくても最奥で祈れば進めますけど、基本的には殲滅するプレイになります。
1プレイのガチャ的な強化要素としてタロットカードがあります。宝箱を開けると稀に3枚のタロットカードが出現して、その中で好きなものを一枚選べます。シンプルに火力強化系の効果が強いと思いました。
敵や宝箱からライフの最大値が上がるアイテムや武器のパーツなどの戦利品も入手できます。
お金もあり、ステージの合間に出現するショップでアイテムを購入できます。
ソウルライクな一面もあります。
敵を倒したり箱や壺からソウルを入手、ソウルを浄化ポイントで浄化するとクラスランクがアップします。浄化ポイントに到達する前に死ぬと、その場にソウルを落とします。同じマップで霊体状態で復活してソウルを回収するチャンスがありますが、回収する前にまた死ぬとソウルを失うだけでなく復活もできなくなります。
そして死にゲーでもあります。最初は被弾3~4発くらいで死ねますから、調子良く進めていても油断するとあっさり死にます。
死んでも引き継げる要素はクラスランクとスキルポイントです。
クラスランクが上がるとスキルポイントを入手。拠点でスキルポイントを消費して武器を強化したり最大ライフをアップしたりの強化ができます。
銃撃が面白いゲーム
『バイオハザード ヴィレッジ』『Pavlov VR』らと並んで銃撃が面白いゲームです。
銃撃システムも似ています。右手に銃を持っている場合、腰のマガジンポーチからL1で弾を持ち、銃に込める。L1でつまんでコッキングしてR2で銃撃可能になります。
銃撃はリアルな銃そのもので、自分でサイトを覗きながら撃ちます。構えた時『バイオハザード ヴィレッジ』のような補正はなく、『Pavlov VR』のようにフリーです。
マガジンを捨てる時はL1で空のマガジンをつかむか、□or×で捨てます。
この銃撃が面白いポイントです。
他のゲーム同様に最初は難しく感じるだけでなく、このゲームは死にゲーですから銃撃の基本操作に慣れるまでは死にまくってストレスを感じるかもしれません。
でもそこを乗り越えて上手く狙って撃てるようになると最高です。ゲームの軸である戦闘がかなり楽しくなります。
とは言え、敵のAIは単調です。
自分が物陰に隠れていても、同じテンポで銃撃してきます。例えばライフル兵なら敵が2発撃った直後に反撃するというワンパターンでほぼいけます。他の敵も単調な反撃で対応できます。
ちなみに敵に撃たれるとヘッドセットが振動します。ヘッドショットされる怖さと痛みが感じられて面白いです。
グラフィックはイマイチ
Meta Quest 2とマルチであり、グラフィックは低スペックマシンでも動くように抑え気味です。
雰囲気を出すために霧の演出もあり、それもあまり良く思えませんでした。
面白いゲームだけにグラフィックは頑張ってほしかったところです。
音がイマイチ
霧で見えにくさもあるゲームですし死にゲーですから、敵の位置を音で察知するのも大事になるのですが、音の距離感が雑に感じられます。遠くにいるのに足音が近くに感じられます。
3月14日に大きなアップデート
3月14日に大きなアップデートがありました。
Update #1 – Community Feedback Patch
PSVR2ではフレームレートがネイティブ90Hzに対応、文字の読みやすさを向上、2x MSAAによるレンダリング品質の向上、コントローラーのトラッキングを改善など。
コミュニティの声に耳を傾けて対応しているのが伝わりますし、今度のアップデートにも期待できそうです。
VRの魅力を活かしたVRガンシューティング+ローグライク
まだまだPS VR2 Senseコントローラーによる銃の操作が面白い時期ですから、メインとなる銃撃戦を楽しめるのが非常に良いところです。
もしこれが非VRゲームだったら60~65点くらいのゲームだとも思います。
敵の種類は少ないですしAIは単調ですし、自動生成されるマップも大きな違いは感じにくく、ひたすら単調なFPSになりそうです。VRの魅力で80点級に引き上げている印象です。
PSVR2のローンチにこのゲームをリリースした戦略は正解です。シングルプレイでPS VR2 Senseコントローラーの銃撃戦を楽しめる低価格ゲームは重宝します。
ローグライクとしては、もう少しニンジンを手前にブラ下げてほしかったという不満があります。ランク10を超えるとランクが上がりにくいですし、強化に必要なランクポイントは多いですから、全然成長できないままプレイを繰り返さなくてはなりません。1プレイ毎に多少なりとも引き継いだものによる変化がほしかったところです。ニンジンが遠くに置いてありますから、「もう1プレイ!」という中毒性は生みにくいバランスになっていると思いました。
死にゲーですから、強化への道が遠いと諦める人も多いかもしれません。
酔いやすい要素が揃っており、5段階で5の酔いやすいゲームだと思います。
途中セーブできるゲームではありませんから、コントローラーのバッテリーに気を遣う必要もあります。コントローラーを別売りしてほしいですね。
チープなところはありますがローグライクとして基本をおさえた形になっており、2,750円という価格を考えると価格以上の満足度はありますし、熱中してプレイしてクリアの達成感も大きいです。VRゲームは低価格で満足度が高いものが多いですね。
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